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三菱重工、スペースジェット「開発凍結の決定事実なし」
岐路に立つスペースジェット、方針は10月30日に
三菱重工は10月23日、スペースジェット事業の凍結に関する報道が流れたが、「様々な可能性を検討していることは事実だが、開発の凍結を決定した事実はない」と否定。「引き続き開発スケジュールの精査を行うと共に、当社グループを取り巻く厳しい状況を考慮した適正な規模の予算で開発を推進する」とした。いずれにしろスペースジェットの先行きを決定付けるのは、来る10月30日のこと。三菱重工としては同日発表する2020年第2四半期決算とあわせて、スペースジェット事業を含めた次期計画を明らかにする。
スペースジェット事業は正直苦しい。新型コロナの影響で、航空機需要の回復がしばらくは見込めそうにないためだ。度重なる開発遅延も大きなマイナス材料だったが、新型コロナによってスペースジェットの顧客対象である航空会社の財務状態が著しく悪化。新規の機体受領を先送りしたり、あるいは発注をキャンセルするケースが後を絶たない。
三菱航空機の親会社である三菱重工グループ全体の収益も悪化しており、すでに今年5月に今年度の開発予算は半減することを発表済みにあるなど、スペースジェットには強烈な逆風が吹き荒れている。・・・
※写真=新型コロナの影響で市場が大きく縮小した航空業界。スペースジェットも岐路に立たされている。開発凍結を決定した事実はないと現段階で否定するも、極めて難しい立場にあることは確かだ