WING
ANA、ネステ社から持続可能航空燃料調達へ
2023年以降、シンガポール精油所から輸入
全日空(ANA)は10月20日、フィンランドに本拠を構えるNESTE(ネステ社)との間で、持続可能航空燃料(SAF)の調達に関する戦略的提携を締結したことを発表した。この提携に基づき、2023年以降、ネステ社がシンガポール製油所で商業生産する持続可能航空燃料をANAが調達し、日本発の定期便で使用していく方針だ。
フィンランドに拠点を置くネステ社は、欧州系キャリアを中心に持続可能航空燃料を供給してきたが、予てよりアジアへの進出を目指してきた。そうしたなかANAとの戦略的提携を結んだことにより、初めてアジアの航空会社に供給することが決定し、同社の念願だった持続可能航空燃料のアジア進出を果たすことに成功したかたちだ。
ネステ社によれば、同社は既に年10万トンの持続可能以上の持続可能航空燃料の生産能力を有しており、現在バイオ・ディーゼルを生産しているシンガポール精油所の更なる拡張、そしてロッテルダム精油所への追加投資の可能性もあるとし、2023年までに年150万トンの持続可能航空燃料の生産能力を持つとしている。今回の契約で、シンガポール精油所で生産する持続可能航空燃料の一部をANAが調達して日本へと輸入する。
なお、ネステ社の持続可能航空燃料は、廃食油および動植物油脂などを原料としている。
今年10月には5500トン調達
成田・羽田発便に投入
欧米に比べて遅い国産燃料開発
国産燃料商用化は2030年頃に
※写真=ANAとネステ社が戦略的提携。2023年以降、ネステ社がシンガポール精油所で生産する持続可能航空燃料を日本へと輸入する(提供:ネステ社)