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三菱重工、「スペースジェットは一旦立ち止まる」
飛行試験行わず、データ解析とTC向け文書整理
三菱重工業の泉澤清次社長が10月30日にウェブ記者会見に臨み、2021年度から23年度までの3カ年を対象とした「2021事業計画」を発表した。このなかで懸案となっているスペースジェットの開発については「一旦立ち止まる」ことを表明。3カ年期間中のスペースジェット事業の開発予算を200億円、つまり年平均で約70億円弱の規模にまで縮小することを決めたことを明かした。なお、今年度のスペースジェット関連予算は1200億円。このうちカナダ・ボンバルディアからCRJ取得費用が600億円となっていた。
泉澤社長は今年に入って、スペースジェットの納入時期を2021年度以降に後ろだおしすることを発表したことなどに触れつつ、「現在は設計を機体レベルで精査・確認を行う作業を行なっている。さらには3900時間を超える飛行試験データを検証中」であることにあらためて言及。その上で、「開発状況と市場環境を踏まえて、現在行なっているM90開発活動は一旦立ち止まる。この間、再開のための事業環境整備に取り組み、型式証明文書作成プロセスは継続していく」として、開発作業は”立ち止まる”ものの、型式証明取得に向けた作業を継続していくことを強調した。TC取得時期や顧客納入などといった新たな具体的スケジュールについては、現段階で明らかにしなかった。この”立ち止まる”ということの意味について泉澤社長は「従来のように多額の資金を投下して、スケジュールありきで開発を前に進めるということについては当面控える」と説明。「したがって、飛行試験などは当面行わないので、開発作業は大幅にスローダウンする」との見方を示し。「このなかでこれまでに得たデータをもとにTC文書作成などの作業を実施していく」と話した。・・・
次期計画、半年前倒し発表で対応加速
エナジートランジション、モビリティなど新領域注力
※写真=スペースジェット事業は「一旦、立ち止まる」ことに。2024年以降の市場回復に期待すべく、データ整理やTC取得に向けた文書作成などを継続する。ただし予算規模は3年間で年70億円にまで大幅に圧縮することに