記事検索はこちらで→
2020.11.02

WING

三菱重工業、民間機事業人員を50%削減

コロナ影響、大胆な人的リソースシフトへ

 三菱重工業は2021年度から2024年度までの次期3カ年計画中において、民間航空機関連の人員を50%削減する方針を固めた。新型コロナウイルス感染拡大で市場環境が大幅に悪化したことに対応する。三菱重工業は事業環境に即応した人員削減と大胆なリソースシフトを図るとしており、民間航空機のほか、石炭火力、商船事業規模の縮小を見込み、全体では国内で3000人規模の人員対策を行うとしている。ただ、「希望退職者を募る計画はない。社員の雇用を確保することを第一に考えており、組合ともよく話し合いをしながら進めている」(泉澤清次社長)としており、成長事業に位置付けた事業などに人員配置を厚くする方向を中心に検討する。ちなみに、海外でも石炭火力、製鉄機械、ターボチャージャ、物流機器、冷熱、民間航空機などの生産減に対応して、2000人規模の人員を削減する計画だ。
 泉澤社長は「社外への出向については、これまでも雇用状況に応じて実施している。まずは社内での再配置、それから外部への出向も考える。今回は航空機、造船を含めてかなりの規模があるので、複数の選択肢のなかで考える」とコメントした。民間航空機で50%人員を削減するほか、商船で25%削減、火力でも20%削減する。
 また、グループ全体の工場などの資産について泉澤社長は、・・・

 

※写真=三菱重工業は民間航空機事業の人員を3年間で50%削減する。スペースジェット事業の縮小はもちろん、ボーイングを中心とした国際共同開発の大幅な減産が影響した。写真はボーイングのエバレット工場にある787最終組立ライン。ボーイングは2021年半ばにも同ラインを閉鎖してチャールストン工場に集約する