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2020.11.05

WING

三菱重工航空エンジン、長崎工場がテスト加工開始

PW1100G燃焼器など生産、2023年頃に2期拡張計画も

 三菱重工航空エンジンは11月4日、三菱重工長崎造船所内(長崎県飽の浦町)に設置した「MHIAL長崎工場」を報道陣に公開した。同工場の面積は約5400平方メートル。三菱重工祖業の地であり、かつ現在では世界遺産でもある長崎造船所資料館南側に最新鋭の航空エンジン工場を建設した。
 この長崎工場では、エアバスのベストセラー機であるA320neo搭載用エンジンであるPW1100G‐JMエンジンの燃焼器および燃焼器ケースを製造する。燃焼器は来年7月から月産90台に、燃焼器ケースは来年10月から月産24台のフル生産レートにすることを目指す。
 さらに本紙8月7日号で既報のように、長崎工場については第二期拡張計画を有しており、その拡張時期については新型コロナウイルス感染拡大に伴う市場の動向を注視しつつ、「2023年頃には拡張したい」(三菱重工航空エンジン長崎工場長兼長崎製造部長の原田亮工場長)として、工場建屋を拡張することも視野にいれている。ちなみに新工場の東側隣接地に空きスペースがあって、拡張時にはそのスペースを活用するものとみられる。この拡張工事が実現すれば、三菱重工航空エンジン長崎工場の面積は約1万平方メートル以上と倍増する予定だ。

 

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自動化・AI・IoT駆使した工場に
燃焼器ケース製造ラインはFMSライン

 

※写真=三菱重工業の長崎造船所に完成した三菱重工航空エンジン長崎工場の建屋外観

※写真=11月4日の時点では設備は3分の1程度が搬入済み。燃焼器のレーザー加工のテスト加工などをスタートした。来年1月頃には主要設備が整う

※写真=燃焼器に孔をあける高速レーザー加工機。三菱重工グループが開発した

※写真=燃焼器内部のセラミック製パネルに孔をあける小型のレーザー加工機

※写真=三菱重工航空エンジンの島内克幸社長。新工場の開所式典で関係者を前に挨拶。コロナ影響で一時は新工場プロジェクトの中止も議論されたという