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2018.07.17

WING

マレンバーグCEO、エンブラエルと「歴史的な瞬間」

シウバCEO「市場アクセス機会増加でブラジルに利益」

 

 【英国ファンボロー:伊藤学】ボーイングのデニス・マレンバーグ最高経営責任者(CEO)とエンブラエルのパウロ・シウバCEOは7月16日(英国ファンボロー現地時間)、開催中のファンボロー国際航空ショーにおいて記者会見にそろって臨んだ。両社は今月5日に合弁会社設立など、戦略的パートナーシップに関する覚書に調印したばかり。航空業界にとって歴史的な業界再編に繋がることになるであろう二社の動きは、広く高い関心を集めている。
 マレンバーグCEOは合弁会社設立について、「ボーイングの航空宇宙産業における長い歴史のなかにおいても、歴史的な瞬間の一つだろう」ことに言及。「世界の航空機産業をみてみると、巨大な力を有するプレイヤーはほとんど存在していないということが、この産業の性質」との認識を示しながら、これまでも業界が様々な「統合」を経験してきたとし、「(ボーイングとエンブラエルの製品は)重複しておらず、この偉大な二社を結びつけるものだと考えている」とコメントした。
 一方、シウバCEOも「(合弁会社を設立することで)エンブラエルは新市場にアクセスすることができるようになる」とコメント。その上で「世界的な大手機体メーカーであるボーイング製品を(我々の製品で)補完することができる」とコメントしつつ、「市場へのアクセス機会が増加して、製造機数が増加していけば、ブラジル国内の雇用も増加し、技術力も高まる」など、ボーイングとの合弁会社設立がもたらす様々な「利益」に言及した。
 なお、マレンバーグCEOによれば、両社は昨年から合弁会社設立など、詳細な議論を重ねてきたとのこと。取引形態などについて慎重な作業を進めているようだ。

 

※写真=合弁企業設立に向けて歩みを進めているボーイングとエンブラエル。この二社の合弁会社設立は、間違いなく航空機産業界の新たな時代の幕開けとなるだろう