記事検索はこちらで→
2018.07.17

WING

エンブラエル、20年間の機体需要は1万550機

最大150席級の20年後の運航機数は1万6000機を予想

 

 【英国ファンボロー:伊藤学】エンブラエルは7月15日(英国ファンボロー現地時間)、今後20年間における」最大150席クラスまでの新造機の機体需要が、1万550機に達するとの予測を明らかにした。これを金額に換算すると6000憶米ドル。
 エンブラエルによれば、このクラスの市場は現在、約9000機の機体が運航されているとしているが、20年後には1万6000機に増加すると予想。新造機需要の65%がいわゆる成長需要で、残りの35%が更新需要と分析している。
 マーケットを地域別にみると、アジア太平洋地域への引き渡しが3000機(シェア:28%)と最大となる見通しのほか、北米市場が2780機(27%)、欧州2240機(21%)、ラテンアメリカ1140機(11%)と続く。そのほか、CISは580機(6%)、アフリカ450機(4%)、中東360機(3%)と予測した。
 エンブラエルのジョン・スラッタリー社長兼最高経営責任者(CEO)は「過去の性能は未来の結果を保証することはない」とコメント。そのうえで、「過去数年にわたって業界のあらゆる面で優れた実績を上げてきたにもかかわらず、我々はすでに次の高コスト期間に向けて準備を進めている」ことを強調した。
 エンブラエルはE2において、リージョナルジェットは必然的にCASKが高くなるという「パラダイム」に挑むことを強調。より大型の単通路機に遜色ない座席あたりの経済性を実現することに成功したとしている。

 

■今年はシャーク塗装のE2見参!

 

 エンブラエルは同日、翌16日から開催するファンボロー国際航空ショーを前に、同社が開発したE190-E2のデモフライトを実施した。エンブラエルは今回のエアショーに、機種部にリアリティ溢れるホオジロザメを描いたインパクトある塗装を施した機体を投入した。同社は昨年のパリエアショーにワシを機首に描いた機体を投入しており、昨年と同様に今年も、機首に自然界の「ハンター」を描くことで、E2ファミリーの最大のテーマである「Profit Hunter」をことさら強調している。
 E190-E2は、E2ファミリーで最も最初に開発が進められた機体だ。E2ファミリーはプラット&ホイットニー社が開発したギアド・ターボファン・エンジンを搭載した新世代リージョナルジェット機で、なかでもE190-E2は今年4月末にウィデロー航空に納入されて、商業運航がスタートしたばかり。
 エンブラエルでは今後、E195-E2を2019年に引き渡す計画で、2021年にはE175-E2の引き渡しを開始する計画だ。

 

※写真=ファンボロー航空ショーに登場した「シャーク」塗装のE190-E2