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ロールス・ロイス、100%SAF燃料でエンジン運転実証
将来認証の土台作り、「ALECSys」実証エンジンで
ロールス・ロイスが、既存のジェット燃料と混合することなく、持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用した航空エンジンの地上運転試験をスタートする。現状、SAFは既存のジェット燃料と最大50%まで混合して使用することが認められているが、ロールス・ロイスとしては100%SAF燃料を使ってエンジンを運転することで、環境性能を大きく改善することを確認する狙いだ。ロールス・ロイスによれば、この100%SAFは既存のジェット燃料と比較して、ライフサイクルにおける正味CO2排出量を75%以上削減する可能性を秘めているとして、航空輸送の更なる環境適合性向上に寄与することができるとみている。
ロールス・ロイスのチーフ・テクノロジーオフィサーであるポール・スタイン氏は「試験では航空業界が実質的な排出削減を実現できることを示したいと考えている。SAFの大規模製造が可能となり、2050年までに航空業界からの年間需要が5億トンになれば、排出削減の面で地球に大きく貢献することができる」との見方を示した。
日本の空でも広がるSAF利用
エンジンは「100%SAF使用に問題はない」
※写真=現在、SAFは最大50%まで混合することが認められているがロールス・ロイスは100%SAF燃料の実証に挑む。これにより将来の100%SAF、あるいは混合率拡大の土台を作る(提供:ロールス・ロイス)