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2020.12.08

WING

JALエンジントラブルで同型エンジン緊急検査

検査時期前倒しで安全確認、ブレード交換時間半分に

 日本航空(JAL)は、去る12月4日に那覇発・羽田行きのJL904便で発生したエンジン損傷による重大インシデントについて、現時点でエンジンのファンブレードの一部が破断しているとして、その破断で生じた振動によって、飛行中にエンジンカウルの留め具が外れ、カウルが損傷した可能性が考えられると説明した。そのためJALでは、保有する同型のPW4000エンジンを装備する777型機について、稼働中の9機のエンジン全18台に対して緊急検査を実施。さらに当面の間は、運航便ごとに目視検査を行うなど検査の頻度を上げるとともに、ファンブレードの交換時期を前倒しするなど、安全性の確保に努める。
 この重大インシデントは、777-200型機(JA8978)によるJL904便が離陸後に左エンジンから振動が発生し、運航乗務員が同エンジンを停止して那覇空港へ引き返して緊急着陸を行ったという事案。このエンジンの22枚のファンブレードのうち2枚が損傷し、エンジンカウルが欠損したほか、左側の水平尾翼前縁部および胴体後方下部に損傷が見られた。同機ではすでに運輸安全委員会による調査が進められていて、JALでは原因調査に最大限協力する姿勢を示す。・・・

 

※図=不具合の発生した場所(提供:JAL)