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2020.12.14

ウイングトラベル

★HIS、20年10月期決算、創業以来初の赤字に

 売上高46.8%減4302億円、純損失は250億円
 
 エイチ・アイ・エス(HIS)が12月11日に発表した2020年10月期(2019年11月〜20年10月)連結決算は売上高が前期比46.8%減の4302億8400万円、営業損益が175億4000万円の黒字から311億2900万円の赤字、経常損益が170億8900万円の黒字から312億8300万円の赤字、当期純損益が122億4900万円の黒字から250億3700万円の赤字となった。
 世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で主力の旅行事業においてツアー催行が長期間中止となるなど、大幅な需要減となったこと。また、テーマパークやホテル事業においても新型コロナの影響で大幅な需要減となった。こうした中、店舗の統廃合を始め、徹底したコスト削減を図ったものの、売上の落ち込みをカバーすることはできず、利益は創業以来初となる赤字決算となった。
 ただ、「GoToトラベルキャンペーン」で国内旅行の需要が回復基調となっていることや、休業に伴う約99億円の助成金収入を含む110億円の特別利益を計上したことなどにより、当初見込んでいた見通しよりも上振れする形での着地となった。

 

 
 Go Toや雇調金効果で、当初見込みより上振れ
 旅行事業の売上は半減、21年度業績予想未定
 2022年に19年水準の業績回復が想定シナリオ
 旅行・ホテル事業は来年初頭から段階的に回復
 国内営業拠点数、統廃合で約100店舗削減
 DX活用の新販売形態を展開、コスト改善へ
 海外旅行、反転速攻で近隣から需要回復目指す
 国内旅行、商品拡充で21年度売上高を3倍へ
 海外事業、3年で営業拠点を95カ所削減
 オンライン旅行などネットビジネスを強化
 テーマパーク事業、Go Toフックに集客強化へ
 ホテル事業は当面の新規投資を凍結
 新規事業「小さく産んで大きく育てる」
 飲食、宿泊施設再生、人材派遣など展開へ
 国内での人員削減「現時点では考えず」
 業況悪化時はハウステンボス売却なども選択肢

※写真=決算発表会で今後の経営方針などを説明するHISの澤田秀雄会長兼社長