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2020.12.22

WING

ヴェガ17号機、上段エンジンの電気系配線ミスが事故原因

独立調査委が報告書、管理手順不備でミス見抜けず

 アリアンスペースは今年11月17日に打ち上げに失敗したヴェガ17号機について、独立調査委員会が失敗の原因は、上段エンジンAVUMの推力ベクトル制御システムの電気機械系アクチュエータの配線ミスだったと結論づけたことを明らかにした。
 4段式小型ロケットのヴェガ17号機は、1~3段の飛行は順調だったものの、リフトオフ8分後に第4段エンジンAVUM点火直後に制御不能となり、軌道を逸脱し、ミッション失敗となった。
 打ち上げ直後に入手された初期データ解析でも、上段エンジンAVUMの推力ベクトル制御システムの組立時の配線接続ミスに起因する可能性が指摘。事故直後に欧州宇宙機関(ESA)とアリアンスペースが独立調査委員会を発足していた。
 委員会の調査報告では、AVUM組立段階で電気系統の配線ミスがあったことに言及しつつ、機体組立から品質の最終認証までの管理・試験の各段階で配線ミスが検出されることなく打ち上げに至り、第4段点火後に姿勢制御信号を受けた機体は、配線ミスによって逆方向の姿勢制御を行ったため、機体姿勢を喪失し、軌道を逸脱したとした。・・・