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2020.12.22

WING

防衛省21年度予算、9年連続増加の5兆3422億円

過去最大の防衛関係費、イージス搭載艦など着手

 防衛省の2021(令和3)年度予算案は、防衛関係費が前年度比0.5%増の5兆3422億円になると発表した。これは、防衛関係費としては9年連続増加となる過去最大規模になる。そのうち目玉といえるのが、次期戦闘機関連だ。大臣折衝の結果、576億円で開発を進めることが決まった。機体構造やエンジンの設計に取り組むほか、日米のインターオペラビリティ(相互運用)を確保するネットワーク開発などに取り組む。さらに総合ミサイル防空能力を強化するためのイージス・アショア代替措置関連事業では、イージス・システム搭載艦の整備で17億円とし、搭載機能などの検討や民間からの技術支援に充てる。スタンド・オフ防衛能力強化のための取り組みでは、335億円で12式地対艦誘導弾をベースとしたミサイルの長射程化に着手する。
 防衛関係費5兆3422億円のうち、人件・糧食費が2.3%増の2兆1919億円で、物件費が0.2%増の2兆9316億円となった。さらに物件費のうち、歳出化経費が0.2%増の1兆9377億円で、一般物件費(活動経費)が0.1%増の9939億円であった。新規後年度負担については1.2%増の2兆5951億円となった。また、SACO関係経費や、米軍再編経費の地元負担軽減を除くと、防衛関係費は1.1%増の5兆1235億円、新規後年度負担は0.2%増の2兆4090億円とした。さらに21年度予算では、歳出予算で187億円、新規後年度負担で217億円をそれぞれ内閣官房およびデジタル庁(仮称)へ振り替える。これは、主にシステム整備などの費用で、防衛省・自衛隊が運用するものだが、これを整備する内閣官房およびデジタル庁(仮称)へ振替を行うことになった。

 

次期戦闘機開発576億円、機体構造・エンジン設計へ
日米相互運用性向上へ、ロッキードが支援企業に

 

イージス搭載艦は17億円で詳細検討など推進
構成品は陸上のまま、運用や人員など検討へ

 

スタンド・オフミサイル開発は今後5年で実施
335億円で着手、航空機や艦船から発射可能に

 

F-35Aは国内FACOから4機取得、F-35Bは2機取得へ
宇宙作戦群新編、共用の自衛隊サイバー防衛隊も

 

※図=次期戦闘機は576億円で機体構造やエンジンの設計を行う予定(提供:防衛装備庁)

※写真=写真の宇宙作戦隊を隷下に置く宇宙作戦群(仮称)を新編する(提供:航空自衛隊)