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2020.12.22

WING

国内航空機生産9月、前年比14%減の1505億円

3ヵ月ぶり1000億円超えも4-9月期では32%減

 日本国内の9月の航空機生産額(機体・エンジン・その他機器の製造・修理合計)が、対前年比14%減少した1505億7700万円に留まったことが明らかになった。昨年9月の航空機生産額は1819億4900万円。今年6月以降、3ヵ月ぶりに1000億円の大台を超えた。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、民間航空機の製造が低迷していることが要因だ。今年は暦年ベースでみてみると、1月~3月にかけて1000億円以上の生産額(1月:1661億円、2月:1519億円、3月:2248億円)を記録していたものの、4月に入ると723億円にまで急落。年度ベースでみてみると、4月から9月までの半年間で、1000億円を超えたのは6月と9月のみとなり、残りの4ヵ月間は1000億円を下回った。とくに5月には600億円にまで縮小するなど、国内の航空機産業が危機に直面している。ちなみに4月~9月までの年度ベースの上半期の生産額は5741億7800万円に留まり、前年同期比32%減(前年同期:8505億7800万円)と、生産額が大きく悪化している様相だ。
 長引く新型コロナ危機で、エアライン業界は大打撃を被っており、航空機メーカーに発注した機体の受領時期を後ろだおししているほか、新規発注はピタリと止まっている。航空会社の財政状況が悪化しているなか、ボーイング、エアバスといった機体メーカーの新規受注獲得および機体納入にも多大な影響を及んでおり、ボーイング、エアバスともに各機体プログラムの生産レートを大きく落とさざるを得ない状況だ。・・・

 

機体・エンジン製造、前年比20%減
防衛向け18%減、民間向け22%減

 

修理生産額は3%増、民間向け急拡大
エンジン修理が防民で急増、民需は82%増

 

※グラフ=新型コロナで国内航空機生産実績が大打撃(グラフ単位は百万円)

Images of 787 Assembly Area from Overhead Crane_People shots working on AC_MCF15-0051 Series_9/3/2015_RMS#288265

※写真=真の苦境は来年からと話す関係者も。エアラインの財政悪化で機体引き渡し延期や新規受注停滞という負のスパイラルに突入している