JAL・ウェザーニューズ、「揺れ」影響未然防止で独自システム構築

機上から揺れ情報リアルタイム化、周辺他機とも即座に共有

　日本航空（JAL）とウェザーニューズは12月22日、世界各国で飛行中の「揺れ」を把握する新基準として採用されつつある「EDR」（渦消散率：Eddy Dissipation Rate、渦が消えていく速さ）技術と、AI（人工知能）の機械学習技術を用いて飛行中の航空機の「揺れ」による影響を未然に防ぐ仕組みを共同で構築したことを発表した。
　具体的には、従来の揺れ体感に基づく判定方法を自動で計算する「EDR計算アルゴリズム」をJALが独自に開発。このアルゴリズムを用いて機上から地上へと発信する揺れ遭遇報告をリアルタイム化することに加えて、既存の運航管理支援システムに情報を反映させて、揺れが観測された空域を飛行する後続機、周辺機に情報を伝達するタイムラグを低減するためのシステムを構築した。
　パイロットは他機の揺れ情報をリアルタイムで入手することができることのほか、自機の航空機の揺れをリアルタイムに他機に送ることができる。自機・他機の揺れ遭遇情報をリアルタイム化することで、パイロットは回避行動やシートベルトサインを点灯させるなどといった安全策を事前に講じることができるようになり、JALでは一層の安全運航へと繋げることができるとみている。・・・

運航中の大敵「揺れ」に如何に備えるか
最新気象学でも100％予測難しい

揺れ情報のリアルタイムに共有

※画像＝JALとウェザーニューズが共同で揺れ影響を未然に防止するシステムを共同開発。後続機体へ揺れ情報を共有するシステムの流れ（提供：JAL、ウェザーニューズ）

※画像＝揺れの観測から後続機への通知までを全自動化することで安全性が高まる（提供：JAL、ウェザーニューズ）