ウイングトラベル
南ア観光局マンスール日本地区責任者に聞く
南アフリカの“バリューフォーマネー”に自信
南アフリカ観光局の新しい日本地区担当責任者としてマンスール・モハメッド氏が着任した。前任のブラッドリー・ブラウワー氏は11年間にわたりアジア太平洋地区プレジデントとして活躍した日本通だったが、マンスール氏も日本での仕事に強い意欲を持ち、日本市場に対する明確な展望を描いている点では前任者と変わらない。日本赴任直後のマンスール氏に、日本における南アフリカ観光局の今後の活動の方向性と日本市場の展望についてインタビューした。
7月1日付で着任したマンスール・モハメッド氏の肩書は南アフリカ観光局アジア太平洋地区ハブヘッド。今後は、前任のブラウワー氏と同様に日本を拠点として日本及びアジア太平洋地区から南アフリカへの送客拡大に取り組む。
マンスール氏は、アフリカや中東、ヨーロッパの民間企業や公的機関で20年以上にわたり公認会計士として活躍。観光分野ではドバイ政府観光局やケープタウン市に関するデスティネーション開発やマーケティングに携わった経験がある。また2010年のサッカー南アフリカW杯の開催時には観光促進や旅行者誘致などにもかかわった。さらにサザンアフリカン・クルーズライナー運営委員会の委員長経験もある。
これまで日本との接点はなかったが、「日本を訪れた際に感じたのが、相手を思いやり感謝を忘れない日本人の心の在り方で、とても印象的でした。そんな日本人の皆さんに南アフリカの素晴らしさを伝えるという仕事は大変興味深いもので、南アフリカ観光局で日本市場を担当する仕事に携われることをとても喜んでいます」と着任の感想を語る。
マンスール氏の日本市場に対する思いは、新たに本局のヘッド:グローバルトレードに就任したブラウワー氏も太鼓判を押しており、「この数週間、マンスール氏と行動を共にしてきましたが、彼は日本市場に対する大きな情熱と優れたアイデアを持つ人物で、本局としても彼の取り組みを積極的に支援していく考えです」としている。
2018年の南ア日本人訪問者約2万8000人予測
風評被害から脱却、価値ある旅行で増加傾向
南アフリカ観光局によると、同国を訪れた日本人旅行者数は16年が2万5802人(前年比27.7%増)で、17年が2万7410人(同6.2%増)。アフリカ西部で発生したエボラ出血熱の風評被害で旅行者数が2万202人まで激減した15年の不振から順調に立ち直り、17年は風評被害前の14年の水準まで回復している。18年に入ってからは、1月の年始休暇の日並びの悪さもあって約3割減の1621人に止まったものの、2月は3.3%減の1784人、3月は8.2%増の2613人、4月は18.5%増の2034人となっており、増加傾向を取り戻している。
マンスール氏は今年の日本人旅行者数については1.6%増の2万7843人と控えめな目標を掲げるが、旅行者の増加ペースの加速には自信を見せる。その根拠となるのが南アフリカの“バリューフォーマネー”の水準の高さだ。マンスール氏は「南アフリカは “バリューフォーマネー”に優れた観光デスティネーションであると自信を持っています。たとえば旅費に1000ドルを費やしても3000ドル分の価値がある旅行体験を提供できます」と説明する。
※写真=インタビューに答える新任の南アフリカ観光局日本地区担当責任者のマンスール・モハメッド氏