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2018.09.07

WING

ANAHD/JAXA、「AVATAR X」プログラム始動

AVATAR宇宙利用、建設や保守、エンタメ分野など視野

 ANAホールディングスと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月6日、将来の宇宙空間におけるアバター利用を見据えて、「AVATOR X」プログラムを開始することを発表した。ANAホールディングスが「ANA AVOTOR VISION」を策定したのは、今年の3月のこと。あらたにJAXAという強力なパートナーを得て、アバタープロジェクトは、いよいよ宇宙空間を目指す。「AVATOR X」では宇宙空間における建設事業のほか、宇宙ステーションや宇宙ホテルなどの保守・運用事業のほか、宇宙空間におけるエンターテイメントなど、アバター利用を想定する。
 人類は技術の発達と共に、その機能を拡張し、行動範囲を広げてきた。徒歩の移動からスタートした人類は、他の動物にまたがり、自動車や航空機、そして宇宙機を手にすることで自らの行動範囲を広げ、通信技術によって音声や映像を瞬時に遠隔地に飛ばすことができるようになった。宇宙空間は限られた特別な人びとのみが行くことができる場所だったが、「アバター」という自らの感覚までも飛ばすことができる分身を手にすることで、いよいよ宇宙空間は誰もが行くことができる場所へとなっていきそうだ。
 なお、9月6日にはJAXA宇宙科学研究所(相模原)において、メルティン社、Re-al社、そして凸版印刷の3社が独自のアバター技術のデモを披露。メルティン社は月面などで人と同等の作業を行うことができるアバターのプロトタイプを披露し、人の構造を模した独自の手を有するロボットを遠隔操作した。
 Re-al社は宇宙船の船外活動における断熱材の引き剥がし作業のデモを実施。繊細な感覚を求められる断熱材の引き剥がし作業を遠隔操作で実現することができることを実証した。
 また、凸版印刷は人と技術、そしてAIが一体化して、時間や空間の制約を超えて相互に能力を強化するIoA(インターネット・オブ・アビリティ)を使った仮想テレポーテーションによる宇宙探査体験をデモ。没入型の大型ディスプレイを使って4K映像・音声通信を行い、宇宙における探査や観光、あるいはコミュニケーション行うことができるようにすることを目指す。