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ヘリコプター界にイノベーション旋風起こすH160
製造も革新的、その驚きの生産手法に迫る!
エアバス・ヘリコプターズが開発している最新鋭の双発中型ヘリコプターH160は、その特徴的なデザイン・フォルムによって多くの人びとを魅了する。その美しい洗練されたフォルムはもちろん、エアバス・グループのDNAであるイノベーションをふんだんに盛り込むことによって、機体性能でもヘリコプター業界の”ゲーム・チェンジャー”として、人びとを惹きつける。ヘリコプター界に数々のイノベーションをもたらすであろうH160だが、その製造方法も画期的だ。IoTや自動化技術をふんだんに投入したH160の最終組立ラインは、次世代ヘリコプター製造のスタンダードとなっていくことを想起するに十分なものだ。
そもそもH160とはどのようなヘリコプターなのか―――。エアバスが開発を進めているH160は2019年に運航を開始する5.5トン~6トン級の新双発ヘリ。ちょうどH145とH175の隙間を埋める新たなプロダクトだ。1~2名のパイロットで、最大12名の旅客を輸送することができる。現在のエアバス・ヘリコプターズの製品ラインナップは、社名変更と共に”H”シリーズへと変更された機体だが、H160は生まれながらにして”H”を冠する初めての機体となった。
同機はVIP輸送などどといった旅客輸送事業はもちろん、石油・ガス事業におけるスタッフなどの人員輸送、さらには消防防災などの公共事業や緊急医療(EMS)ミッションなど、マルチな活躍をすることができる新型機。最大離陸重量(MTOW)は5670キログラムで、その速力は巡航速度155ノット(時速285km)と高速飛行することができ、最大航続距離460海里、最大で4時間10分ものを飛行を行うことができる。日本の空に今後投入されていけば、旅客輸送はもちろん、消防防災など、多様なミッションで人びとの生活を支えていくに違いない。
H160は、2015年3月に発表する以前には「X4」と呼ばれ、その全容は秘匿されていた。しかし、そのベールを一度脱ぐと、その美しいデザイン・フォルムはもちろん、高いスペックが業界内外から広く注目され、日本でも国際航空宇宙展2016に実大モックアップが展示されるなど、会場を沸かせた。