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2018.09.27

WING

JALの中長距離LCCモデル、西田社長「BtoB収入に光」

JAL赤坂社長、「二年で黒字化・世界に一つのモデルを」

 日本航空(JAL)が設立した中長距離LCCの準備会社TBL社の社長に就任した西田真吾社長が9月26日に記者会見に臨み、そのビジネスモデルについて「一つ我々が光を見出すとすると、お客様から頂く収入のほかに、BtoBで収入を頂くモデルを創ることができないか」模索していることを明らかにした。その上で、「そうなると単なる航空輸送事業ではなくて、別の事業という呼び方になる可能性もあるかもしれない」とし、新中長距離LCCのビジネスモデルについて、現在、研究を進めていることを明かした。なおJALの新中長距離LCCは2機の787-8型機を使って、2020年夏頃を目処に成田空港を拠点に東南アジアや欧米線の運航を開始する計画だ。3年後には6機体制を構築することを目指す。
 中長距離LCCは欧州や東南アジアなど、複数のキャリアが既にオペレーション中だ。ただ、その全てが必ずしも上手く言っている訳ではなく、苦戦を強いられているところも少なく無い。それというのもLCC原理主義のビジネスモデルは、低運賃ながらも短距離多頻度運航することで、機材稼働率を上げて、より多くの旅客を乗せるということになるからだ。飛行時間が長くなってしまう中長距離モデルでは、このLCC原理主義的な発想は恐らく通用せず、新たな”稼ぎ方”が必要になる。
 西田社長も「確かに海外の中長距離LCCは割りとしんどい状態にあるところもある」との認識を示しつつ、「研究していく中で、費用と収入のどこのバランスをとっていくことことで我々が持続することができるのか、まさに研究している」とコメント。「ほかのLCCではエアアジアなどをみても、いわゆるエアライン・ビジネスではなく、我々はデジタル事業だと言う航空会社もある。そのような研究もしていくことができれば」としている。
 会見に同席したJALの赤坂裕二社長は「新会社をお約束をした2020年までに立ち上げるということが一つの大きなハードルになるだろう」との認識を示しつつ、「彼(西田社長)には二年で黒字化して欲しいと伝えてある」ことを明かし、「これが最低条件」と、厳しい条件を西田社長に課していることを明かした。その上で、「日本に、あるいは世界に一つしかないユニークなLCCモデルを作って欲しい。これは彼(西田社長)には一番ハードルが高いのではないかと思うが、是非、期待を頂きたい」と、西田社長にこれまでにない新しい中長距離LCCモデルを生み出すことを求めた。