ジャパンサミット2 Japan Summit 2
ハワイ島観光局長、日本人再訪を心待ち
JALコナ線再開、コナ空港リニューアル
次に、ハワイ島観光局のロス・バーチ局長が登壇し、エリソン・オニヅカ・コナ 国際空港のリニューアルを中心に説明した。8月3日からJALが成田-コナ線を再開することが決まり、ハワイ島への日本人旅行者の回復に期待が高まる。
コ ロナ禍の間にコナ空港がリニューア
ル されて、外観も大きく変わった。バーチ局長は「顔認証も最新システムに変わり、到着手続きはスムーズにできるようになった。新しいゲート11が完成し、空港の第1フェーズが完了した」と述べた。
バーチ局長は「空港のリニューアルによりターミナルの取扱人数も拡大し、日本からの旅行者を迎えることを楽しみにしている」と期待した。このため、今後は日本語対応を充実させていくことを計画する。
キラウエア火山活動もこの2年間で変わり、噴火口の近くまでマグマが上がり、壮観な眺めを展望できる。間近で活きた火山、地球の鼓動を体験できる。また、コナとヒロをつなぐ公共無料バスも運行しており、ハワイ島のアクセスの利便性が向上している。
新しいオプショナルツアーもできており、バーチ局長は「日本からの旅行者が戻ってくることを楽しみにしている」と語った。
JATA稲田部長、ハワイ視察団で潮目変わる
7月に海外旅行再開キャンペーンを展開
日本側を代表して登壇した日本旅行業協会(JATA)の稲田正彦海外旅行推進部長は、潮目の変化、海外旅行ロードマップ、海外旅行再開の3点について説明した。
海外旅行全体の潮目の変化は、4月のJATA視察団のハワイ訪問で、これがテレビや新聞に多く取り上げられたことがきっかけになった。稲田部長は「海外旅行に行っていいんだという雰囲気をつくり、ハワイに行きたいと気持ちを目覚めさせた非常にいい機会だった」と語った。
海外旅行再開への残る課題として、入国者制限の撤廃、日本入国のための海外でのPCR検査廃止などがあるが、稲田部長は、航空座席数の拡大による需給のアンバランス、ランドコスト高、ヒューマンリソースの確保を挙げた。中でもコロナ禍による人的資源の不足をどうカバーしていくかを旅行業界共通の課題として挙げた。
海外旅行再開については、JATAは海外旅行再開キャンペーンを展開する。まず7月15日に北海道から沖縄まで全国8カ所で海外旅行再開に向けたビラを配布する。JATA役員も参加し、全国に海外旅行再開をアピールする。
次に同じ7月15日の一般紙に海外旅行再開の全面カラー広告を掲載する。この新聞広告のデザインと同じポスターやうちわを制作して配布する。さらに、海外旅行再開に向けたSNSハッシュタグキャン ペーンを実施する。
ハ ワイに関しては、JATAアウトバウン ド促進協議会(JOTC)ハワイ部会で、このキャンペーンに連動する活動を検討している。
JHTA久保会長、事業パートナー復活ケア
安心安全なツアー提供へ旅行会社価値向上
次に日本ハワイ旅行業協会(JHTA)の久保哲也会長が登壇し、ハワイでの日本人旅行者対応の取り組みなどについて語った。久保会長は「この2カ月間で市場回復に向けてハワイの声をしっかりと届けた。規制緩和が実現し、座席も増え、市場の環境は着々と良い方向に進んでいる」との見方を示した。
ただ「日本市場の回復の遅れが起因して、日本語サービスを提供していた事業パートナーが復帰しきれていない。規制緩和と市場の回復を注視しながら、1社でも多くの会社の復活をケアしていく」と課題を語った。
また、日本人旅行者が増えれば、ハワイでのPCR検査で陽性になる可能性は増えてくる。これに対して久保会長は「受地側としては一つひとつ丁寧に対応していく。陽性反応が出るとホテル延泊、自主隔離、食事アレンジメントを手配する。陽性者は翌日以降に再検査、ここでまた陽性が出るとまた5日後に再々検査、陰性が出るまでこれが続くことになる」と説明した。
「パッケージツアー、団体旅行は各社がケアするが、FITは限られるかもしれない。陰性が確保できない場合は総領事館に相談する。この間のケアはできるが費用は発生する」と述べ、事前に海外旅行保険に入り、その内容を熟知しておくことを指摘した。
久保会長は「PCRの陽性は一例だが、ウィズコロナの旅では回復期の最中に新たな課題が生まれてくる。安心安全な環境を提供する」と旅行会社の重要性を指摘した。
「コロナのない平常時は多くのサービスを削ぎ落としてFITの傾向に流れるが、今こそ、海外旅行先の安心安全の確保をお客様が求めており、この対策を実行していくことで、パッケージツアー、団体旅行の価値が高まっていく」との見解を示した。
久保会長は「渡航手続きの正確な情報の提供、日々変わる現地の発信を含めて、業界全体の価値向上に一丸となって取り組む。お客様を全力でサポートし、そこで生まれる旅行者の満足度を将来につなげて、多くの人がハワイに戻ってくる好循環サイクルを作り上げたい」と述べた。
12月11日にホノルルマラソン50周年記念大会
マラマハワイに共感する日本人の参加を呼びかけ
最後にホノルルマラソンのジム・バラホル事務局長が登壇し、12月11日のホノルルマラソン50周年記念大会への日本からの参加を呼びかけた。日本のハワイ旅行が再開され、同事務局長は今年の50周年記念大会へ日本人の参加を期待した。
同事務局長は「ホノルルマラソンには全世界から参加するが、マラマハワイの精神、ハワイ文化を尊重してマラソンを楽しむのは日本人以外にいない。ぜひ戻ってきてほしい」と要望した。
ホノルルマラソンはコロナ前には、日本から毎年1万人以上、累計で47万人が参加していた。「ホノルルマラソンがここまで成長したのは、マラソンを走ることで、日本人がハワイのコミュニティと触れ合ったことが大きく、イベントに参加している感覚が非常に重要なポイント」と指摘した。
ホノルルマラソンは長年JALがサポートし、50周年記念大会でJALは支援を強化する。また、ハワイ州観光局(HTJ)もホノルルマラソンのサポートを検討する。
2021年のホノルルマラソンでは、コロナ感染者は1人も出なかったという。同事務局長は医師でもあり、「ホノルルマラソンには安心して参加できる」と強調。
また、万が一陽性になった場合でも医療体制に万全を期していると自信を示した。
ジャパンサミットは、プレゼンテーションの後に、旅行会社とサプライヤーによる活発な商談会が行われ、夕刻からはディナーレセプションが開催され、参加者によるネットワークキングが展開された。
6月7日には引き続き商談会、ハワイ語レッスン、ハワイアンカルチャーワークショップで伝統・文化の体験、6月8日にはマラマハワイ体験FAMツアーが実施された。
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