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エアバス・ヘリコプターズ、タイガー戦闘ヘリ近代化研究を受注
3ヵ国共同のリスク低減研究、マークIII改修目指す
エアバス・ヘリコプターズはこのほど、フランス、ドイツ、スペインの国防装備調達機関を代表するOCCARとタイガー戦闘ヘリの近代化改修(マークIII)に向けたリスク低減研究の委託契約に調印した。この研究にはタレスとMBDA(欧州統合ミサイルメーカー)も参加する。
OCCARによるとリスク軽減研究の契約期間は3年間で、そこで得られた技術的なベースラインを基に、各国がマークIII改修開発の着手を決定する流れになっていくという。
オーストラリアを含め4ヵ国で採用されているタイガーは、国ごとに運用目的や武装が異なっており、近代化も一律に行えるものではない。しかし、開発に必要な共通的基盤技術を共同で先行的に研究することで、開発・近代化の円滑なスタートを切ることが今回の目的とされる。
マークIII改修は、ミッドライフ・アップグレードとも言われ、運用寿命の半分の時期に大掛かりな近代化を図ることで、今後何十年にもわたって戦場での優位性を保ち続けられるようにすること。アビオニクス、任務用システム、武器システムの開発や交換が想定されている。
タイガーは現在、フランス、ドイツ、スペイン、オーストラリアの4カ国で合計178機が納入され、飛行時間は累計11万時間を越えている。フランス陸軍およびドイツ陸軍はアフガニスタンにタイガーを派遣し、実戦投入しており、その経験・教訓もマークIII改修に反映されるものと見られる。