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2018.10.01

WING

ボーイング、米空軍次期練習機351機契約を獲得

シミュレーター46台など総額92億ドルで受注

 米空軍は9月27日、次期練習機(T-X)の機種選定結果を発表し、ボーイングがサーブの協力を得て新規開発した機体の提案を採用して練習機351機、シミュレーター46台など総額92億ドルの契約を発注した。最初の機体とシミュレーターは2023年にサンアントニオ統合基地に配備される予定。
 米空軍は最終的には新練習機475機、シミュレーター120台を調達する計画で、57年間使用されて来たT-37C「タロン」ジェット練習機からの代替更新は2034年に完了する見込み。

 次世代の戦闘機、爆撃機パイロット養成
 当面、5機試作契約、2023年度から納入開始

 第4世代、第5世代の戦闘機、爆撃機パイロット教育に、老朽化したT-37では耐えきれないとして米空軍は次期練習機(T-X)プログラムを立ち上げ、競争試作を経て、ボーイング案が選定された。ボーイングはサーブの協力を得て5年前に自社リスクで新規のジェット練習機を2機試作し、社内飛行試験と空軍へのデモンストレーション、評価試験を受けていた。競合機種はロッキード・マーティンが韓国のKAIと協力して韓国軽戦闘機を改修したT-50であった。その他の候補は競争からの離脱を宣言し、一騎打ちの形で評価が続いていた。
 今後、まず8億1300万ドルの設計試作開発契約により試作機5機、シミュレーター7台などのパイロット訓練システムの試作開発契約が発注される。
 ボーイング防衛・宇宙・セキュリティ部門のリーン・カレット社長兼CEOは、「今日の発表はボーイングとサーブのチームのたゆまない努力の積み重ねの結果だ。米空軍特有の要求を真正面に捉えて、システムを共同投資で開発した直接的な成果である。このT-Xが今世紀中で最も特権的な計画となることを期待している」と述べている。