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成田6月、5月に続く100万人超と着実な回復
国際旅客数4倍、ビジネス・レジャー需要増
成田国際空港会社(NAA)がまとめた6月の成田空港の運用状況は、航空旅客数が前年同月比294%増の117万8870人で、そのうち国際線旅客が404%増の69万1750人、国内線旅客が201%増の48万7120人となった。航空旅客は先月に続く2ヵ月連続の合計100万人超え。特に国際旅客は出入国規制の段階的な緩和によって前年同月の4倍となった。しかしコロナ禍前の2019年同月と比べると、旅客全体が67%減になり、国際旅客が77%減、国内旅客が22%減となり、引き続き厳しい状況が続いたものの、着実に回復に向かっていることが分かった。
国際旅客については、特に日本人旅客数が476%増の17万9202人(19年比84%減)で、海外主要国の規制緩和が進んだこともあり、ビジネス渡航やレジャー渡航の需要の増加も見られた。外国人旅客は284%増の16万6094人(19年比89%減)と増加しているものの、査証取得など入国関係の様々な手続きが必要となるなど、日本の厳しい水際対策によって日本人ほど大幅な回復は見られなかった。また通過客は452%増の34万6454人(19年比12%減)であり、航空各社が東南アジアと北米をつなぐ接続需要の獲得を進めた結果、コロナ禍前の旅客数と比べて大幅に乖離することはなかった。
航空機発着数は前年同月比37%増の1万3196回(19年比39%減)であり、そのうち国際旅客便の発着数が51%増の5325回(19年比64%減)、国際貨物便が12%減の3807回(19年比80%増)で、旅客便・貨物便を合わせた国際線全体の発着数が16%増の9383回(19年比46%減)となった。国内線旅客便では151%増の3770回(19年比14%減)であり、国内線全体の発着数は148%増の3813回(19年比16%減)だった。
また、6月の国内線旅客便は3年ぶりに行動制限のないゴールデンウイークの影響で4・5月よりも落ち着いた状況。7月の足元のを見ると、再び新型コロナの感染者数が増加しており、当初想定していたよりも需要が伸び悩んでいるとした。
国際貨物量は4%減の20万554トン(19年比16%増)と、前年よりも取扱量が減ったものの、いぜんコロナ禍前を上回る水準となった。貨物便の発着数も前年を下回ったが、これまで航空各社が貨物臨時便として運用してきた機材を旅客便の運用に回したためだとした。貨物量については、中国国内の自動車関連の荷動きが鈍化したことなどで、アジア発北米向け三国間輸送に影響が生じたため、特に仮陸揚げ貨物が低調になったとした。