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ANA、航空機移動・牽引作業を遠隔操縦機器で
737対象に実証実験2020年までの導入目指す
全日本空輸(ANA)は10月4日に、航空機の移動・牽引業務における新技術活用に向けた実証実験を羽田空港で開始したと発表した。従来、航空機の移動・牽引業務は航空機牽引車両を使用して行っているが、実証実験では、リモートコントロール式のコントローラーで航空機を移動・牽引することができる機器を用いる。この機器はドイツ・mototok社製「Spacer8600」。ANAは実証実験で、この機器を用いて737型機の移動・牽引を行う。なお、ANAグループでは、新しい技術の活用を通じて空港における地上支援業務のSimple&Smart化を目指しているところ。
ANAでは実験を通して当該機機の性能や安全性・操作性、業務時従事者の教育訓練の効率化についても検証し、2020年までの導入を見据えて、現行の規定・基準、資格体系との整理を進めていく。さらに大型機の移動・牽引業務に対する適用拡大に向けた調査研究を継続していく方針だ。
ANAによればこの機器について、リモートコントロール式の機器を使って航空機を移動・牽引することができることから、従来の牽引車両と比較して広い視野や航空機の車輪の向きなどを間近で確認することが可能で、より平易に移動・牽引業務を行うことができるとの見方を示す。さらに、業務従事者の負担軽減のほか、短期間で教育・訓練で業務習熟が可能となることを期待しているという。
※写真=ドイツ・mototok社のSpacer8600、まずは小型機から検証していく(提供:ANA)