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シコルスキーS-97が200ノット超す
米陸軍の将来攻撃偵察機に提案へ
シコルスキーはこのほど、自社試作したS-97「ライダー」(Raider)軽攻撃ヘリ原型機が去る9月21日の社内飛行試験で200ノットを超え、試験スケジュールは順調に進捗しており、米陸軍の将来攻撃偵察航空機(FARA)競争に提案の準備を進めていると発表した。
ロッキード・マーティンの子会社であるシコルスキーは自社費用で試作したX-2高速飛行試験ヘリコプターで250ノットの高速飛行記録を達成しており、X-2で実証された二重反転式メイン・ローター、尾部推進用プロペラという機体コンセプトやフライ・バイ・ワイヤ操縦システムなどの技術を「ライダー」のベースとしている。
縦列複座のX-2に比べ、並列複座で最大6名の兵士が搭乗できるキャビンを持つ「ライダー」での200ノット達成は大きな意味を持つ。シコルスキーでは在来ヘリコプターの2倍の速度を発揮しながら、運動性は従来のヘリコプターと変わらず、陸軍の多様な任務に対応できると強調している。
米陸軍は将来の航空勢力の革新を目指す「Future Vertical Lift」構想を掲げ、FARAはその構想の一環として競争試作が行われる。ベル社もティルト・ローター式の機体を提案するため飛行試験を開始している。
※写真=200ノットを超す高速飛行を達成したS-97「ライダー」(提供:シコルスキー)