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2022.10.04

WING

第162回「日本が危ない」ウクライナ侵略は次なる局面へ

最低限東・南部4州確保
サイバー攻撃の手は日本も

 

 ロシアによるウクライナ侵略はターニングポイントを迎えている。ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは「部分的動員」と称して予備役30万人の招集を決めた。ウクライナ側が攻勢を強めるなか、最低限の目標である東・南部4州を確保し、局面打開を目論む。ウクライナを支援する西側諸国との対立も深まっているなか、日本に対してもサイバー攻撃などのハイブリッド戦を仕掛けてきている。日本としては対中国をにらみながら、ロシア対策にも力を入れる必要性が高まっている。
 9月6日16時半ごろからデジタル庁が所管する行政情報のポータルサイト「e-Gov」などでアクセス障害が発生した。デジタル庁のほか総務省、文部科学省、宮内庁でもアクセス障害が相次いだ。6日夜までにいったんは回復したが7日も再び発生した。金融機関やSNSサイトでも同様のシステム障害が起きた。
 「DDoS攻撃」と呼ばれる大量のデータを送り付け、システムを機能停止に追い込むサイバー攻撃によるものとみられる。ロシア支持の「キルネット」と呼ばれるハッカー集団がSNS上にサイバー攻撃を行ったと投稿した。
 日本のあるサイバー専門家は攻撃が行われた「9月6日」に注目する。この日、プーチンは国防相セルゲイ・ショイグ、参謀総長ワレリー・ゲラシモフと共に、極東ウラジオストク北方のセルゲエフスキー演習場まで足を運び、1日から始まったロシア軍の大規模軍事演習「ボストーク2022」を観閲したからだ。
 「大統領の視察に合わせて攻撃を仕掛けたのだろう。単なるハッカー集団と見ない方がいい。ロシアによるハイブリッド戦の一環だ」とこの専門家は語る。

 

弾薬撃ち尽くしたロシア
北朝鮮から武器購入か

 

 なぜプーチンはウクライナ戦の最中、わざわざ極東まで赴き軍事演習を視察したのか。しかも演習に参加した兵力規模は、ウクライナ侵略に多くの兵力が割かれていることもあり、4年前の30万人から5万人程度と6分の1にまで縮小している。

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