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2022.10.28

ロットネスト島のSDGsプログラム【西オーストラリア州①】

自家発電に取り組む自然保護の島でアクティブラーニング

長年、「住みやすい都市ランキング」の上位にランクインしている街パースは、教育旅行を歓迎している。なかでもおすすめは、SDGsをテーマにしたアクティブラーニング。手つかずの自然が残るロットネスト島を巡り、再生可能エネルギーについて学ぶもので、教育関係者の高い関心を集めている。

島のシンボル、ワジュマップ灯台

 

 

独自の生態系を守る

エコ・リゾートの島で教育旅行を

パースの沖合い約19kmに浮かぶロットネスト島は、独自の生態系を維持したA級自然保護指定の国立公園。島にはオットセイやアシカ、バンドウイルカなどの海洋生物をはじめ、さまざまな動植物が生息しており、“世界一幸せな動物”と称される有袋類クォッカの最大生息地でもある。世界各国から観光客が訪れるのは、このクォッカと一緒に写真を撮るのも目的の1つとなっている。

 島へはフェリーでアクセスでき、パース市内から約1時間半、フリーマントルからは約30分。島内は自動車の乗り入れが規制されているため、旅行者の足となるのはバスツアーか自転車だ。高級ホテルからドミトリーまで宿泊施設も充実しているので、1泊、2泊のスケジュールを組み込むのもいいだろう。

 

アクティブラーニングで

SDGsを実感

 教育旅行グループには、自然保護や環境対策、再生可能エネルギーについて学べるSDGsプログラムがおすすめだ。プログラムのメインは約2時間の島内一周バスツアー。ソーラーファームや風力発電を見学しながら、持続可能な島が目指す電力供給について詳しく知ることができるアクティブラーニングとしてスケジュールに取り入れたい。

 ロットネスト島は早くから風力発電に取り組み、電力の約30%を供給。太陽光発電も加えれば、実に島の45%の自家発電を実現していて、これはSDGs7番のエネルギーについて大きな学びとなる。また、SDGs6番の安全な水に関しては、海水を淡水化することで飲み水以外のすべてをまかなっている点が注目される。

 州政府は今後、州の予算を投じてインフラを強化し、島のエネルギー需要の 75% を再生可能エネルギーで供給する計画を進めている。ツアーでは島の歴史や環境保護への取り組みについても案内されるので、エコ・リゾートの島が再生可能エネルギーに力を入れる理由を理解することができるだろう。

ドイツ製のカタービンが電力を作り出す
ソーラーパネルが並ぶ圧巻の風景

 

 

 

 

 

 

持続可能な観光の島

唯一無二の教育素材

 島内一周バスツアーでは、ほかにも美しいインド洋が広がる最南端のパーカーポイントや国内で4番目の高さを誇るワジュマップ灯台、最西端のケープブラミンも訪れる。島の美しさを目に焼き付けながら、この島が地域で担う役割や持続的な観光地としての取り組みについて学ぶのは、学生にとって得難い体験となるだろう。

 教育旅行の学習素材として、島全体で持続可能な機能を有するロットネスト島は実にユニーク。ツアーで訪れる場所はあくまでも一例で、研修の目的や滞在時間などによってアレンジすることができる。グループの規模によっては自転車での島巡りもおすすめしたい。

 

パーカーポイントの美しい風景

 

 

西オーストラリア州政府観光局

 西オーストラリア州での現地校訪問やホームステイは、留学エージェントやツアーオペレーターが斡旋している。各社とも効果的な交流プログラムを開発しており、公立校、私立校ともにニーズに合った学校を手配することが可能だ。

 また、西オーストラリア州政府観光局では、公認の留学エージェントGOLD Educational Tours(GET)と日本マーケット向けにSSH/SDGs/STEMプログラムを開発している。なかでも注目度が高いのは、GETとカーティン大学が連携したSTEMプログラムで、次ページに詳細を掲載した。なお、今後はSTEAMプログラムの開発も予定している。

 

 

 

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