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2022.12.14

WING

エネルギー・原材料高騰、航空機価格も上昇傾向

 シリウムが読み解く、航空機市場のいま
 
 ロシアによるウクライナ侵略により、エネルギーおよび資源価格が高騰し、日本国内では円安の影響もあって、大きく物価が上昇した。インフレ抑制のため、欧米では金利引き上げを図っている。新型コロナパンデミックの影響で、旅客需要が大幅に減少した結果、航空機を運用する航空会社の財務体質は大きく傷ついた。それにより、新造機市場も冷え込んだ。
 航空会社は財務体質の回復をまずは急ぐことになるとみられるが、その一方で一部の国を除き、国境再解放など、水際対策や行動制限緩和へと各国政府が舵を切ったことで、航空旅客需要の回復が急速に進んでいる。さらに、地球温暖化対策が急務となるなか、より低燃費機材へフリートを刷新していくニーズが、ますます強くなってきた。
 では、足元の航空機市場において、航空機の価格は一体どうなっているのだろう―――。
 シリウムで航空機鑑定士マネージャーを務めるハーマン・チェ氏は本紙の取材に対し、新造機市場について、「通常、航空機の受注契約には、航空機の生産に関連する経済指標の変動を条件とするエスカレーション条項がある」と前置きしながら、「このエスカレーションは、契約締結日から引き渡し日までの年平均成長率(CAGR)ベースで行われており、人件費、エネルギー費、原材料費などが上がれば、航空機の納入時の価格も上昇する」ことを明かした。

※この記事の概要
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