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2018.10.22

WING

日米韓防衛大臣会談、北対応で多国間協力強化

3ヵ国の抑止能力・対処能力の向上が一層重要に

 岩屋毅防衛大臣は10月19日、拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)のため訪れたシンガポールで、日米韓防衛大臣会談を開き、北朝鮮を中心とした地域情勢と、3ヵ国による防衛協力の進展など議論を行った。その中で北朝鮮による「瀬取り」の排除に向けて、改めて国際社会との連携によって国連安保理決議の完全かつ厳格な履行が重要だということで一致。さらに、情報共有、ハイレベルでの政策協議、共同訓練などを含む多国間の枠組による安全保障協力を強化していくことで一致した。
 日米韓の防衛大臣会談では、マティス米国防長官およびチョン・ギョンドゥ韓国国防部長官と実施した。北朝鮮情勢の問題については、3回目となる先の南北首脳会談など直近の状況を踏まえ、3ヵ国で認識・対処方針について、綿密にすり合わせを行ったという。日米韓ではこれまでにも、実務者協議の枠組みで情報共有テレビ会議や参謀総長級会議を実施してきたほか、ミサイル警戒訓練、対潜水艦戦訓練など、3ヵ国共同訓練も行ってきた。それらの経緯を踏まえ、日米韓では、3ヵ国で抑止能力・対処能力を向上させることが一層重要であり、協力を進めていく必要性を強調した。
 岩屋大臣は、3ヵ国の足並みが「しっかりと揃っているということは、今日、共有できた」と述べた。韓国ではこのところ、北朝鮮との融和を前面に打ち出してきているところだが、瀬取りの対応について日本側から連携を提案したところ、チョン長官から「前向きな返答があった」として、3ヵ国の連携が強化されていることを強調した。
 岩屋大臣は、韓国が最前線で向き合っているだけに「何とか朝鮮半島の平和につなげていきたいという、強い思いを持っていることがよく理解できた」と述べた。しかし、そのためにも「日米韓の結束が揺らいではならない」として、そうした考え方についても3ヵ国の認識が共有できたとしている。
 また、海洋安保を含む地域安全保障の問題については、航行および上空飛行の自由は確保されなければならないとし、すべての紛争が国際法に従い、平和的手段によって解決されるべきだと再確認した。米国からは日本と韓国に対し、揺るぎない安全保障の確約について再確認があり、3ヵ国が地域や世界平和・安定のため緊密に協力していくことで一致した。
 岩屋大臣は防衛省として、日米韓の防衛協力は地域の安全保障にも大きく寄与する認識だとして、日米韓防衛実務者協議(DTT)の枠組みを活用した防衛協力をさらに推進していく考えを示した。

※写真=19日に日米韓防衛相会談が開かれた(提供:防衛省)

※写真=中国の魏鳳和国防部長と3年ぶりの防衛相会談が開かれた(提供:防衛省)