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2023.06.21

ビジネスイベント市場のニーズに照準を!

ビジネスイベント市場に不可欠

 

2022年2月、コロナ禍における渡航規制を完全に撤廃したオーストラリア。10月に始動したグローバルキャンペーンの追い風に乗り、日本マーケットも動き始めてきた。この好機を逃すことなく次なる仕掛けをするなら、それは間違いなくビジネスイベントのマーケットだろう。受け入れもサポートも十分に備えているオーストラリアのビジネス需要を換気すべき時だ。

 

需要も路線も回復傾向へ

 3年におよぶパンデミックの影響で大幅に減少したオーストラリアへの渡航者数は今、じわじわとかつての活気を取り戻しつつある。2022年4月から2023年3月までの累計でオーストラリアへの全渡航者数は499万9 4 0 0 名で対2 0 1 9 年比- 4 6%だったが、3 月単月だけを見ると6 1 万3 3 4 0 名で同-26.7%と回復傾向だ。日本、中国、韓国などを含む北東アジアエリアの3月単月は同-60.7%に対し日本は-50%で、航空路線の回復や大型キャンペーンの効果が表れてきている。
 日豪間の航空路線も3年前に迫る勢いで回復。現在、日本航空、全日空、カンタス航空、ジェットスターの4社が成田、羽田、関空からオーストラリアの5都市(シドニー、メルボルン、ブリスベン、ケアンズ、ゴールドコースト)へ運航している。6月28日からはヴァージン・オーストラリア航空が羽田・ケアンズ線を週7便で初就航し、10月には全日空がパース線を再開する予定。さらにカンタス航空は11月26日からシドニーのダブルデイリー、メルボルンとブリスベンのデイリー運航を発表した。

 

視察で実感!

ビジネスイベントのポテンシャル

 日豪間の渡航に障害がない現在、日本マーケット拡大に必要不可欠なのはやはりビジネス需要だろう。オーストラリア政府観光局は、BE(Business Events)シドニーと共にこの3月、ケアンズとシドニーへ9日間のファムツアーを催行。ホテルやレストランなどのベニュー視察をはじめ、アクティビティやビジネスセッションなど盛りだくさんのプログラムを提供した。
 グレートバリアリーフで海の透明度に感したという参加者は「水陸どちらにもサステナブルアクションがあることを実感できた」と話しているほか、他の参加者からも「ビジネスイベントのポテンシャルの高さを感じた」、「和食の質の高さに驚いた」などの声が聞かれた。

ファム中に行われたビジネスセッションのオープニング

 

 一方で「各州のサポート情報が日本に広く伝わっていない」という声もあり、日本市場の回復が遅い原因の1つになっているのでは、という指摘もあった。現在、同局では日本からのビジネスイベントグループに助成金を提供するプログラムを展開中。以下に詳細と各州のサポートプランを紹介する。

 

各州のサポートプラン

 

● オーストラリア
 BEオーストラリアは助成金をサポートするプログラムを展開中。2028年12月30日までに開催予定の400名以上のイベントや展示会、700名以上のインセンティブが対 象で、審査に通る必要がある。対象外であっても相談を。
● ニュー・サウス・ウェールズ州
 BEシドニーはMICEグループに対し、誘致から開催まであらゆる面でサポートを行っている。情報提供やアドバイスはもちろん、大小さまざまなイベントにエンターテイメントの派遣やウエルカム・ギフトの提供も可能だ。
● ゴールドコースト
 ゴールドコースト観光局は、日本からのMICEグループに助成金をサポートするプランを実施している。ゴールドコーストに3泊以上する300名以上のグループが対象。
● 西オーストラリア州
 BEパースは、10名以上のグループ1人につき最大50Aドルを助成するプログラムを実施している。2024年6月30日までにビジネスイベントを実施することと、パース指定ホテルに最低2泊することなどが条件だ。
● ビクトリア州
 メルボルン・コンベンション・ビューローは、日本からのMICEグループにさまざまな特典を提供中。100名以上のグループの規模に応じて3つのプログラムを用意しており、150名からは助成金の申請などができる。
● ノーザンテリトリー
 ノーザンテリトリーBEは、MICEグループに助成金をサポートするプログラムを実施中。ウェブサイトから申請でき、代表者1人につき最低100Aドルの助成金がサポートされる。ウェブサイトのトップページ、大幅リニューアルでより使いやすく!

 

オーストラリアMICE 7つの魅力

 

1充実のアクセス

 成田、羽田、関空からオーストラリア5都市へ直行便が運航されており、選択肢は豊富。今後も路線は順次拡大されていく。また、時差はわずか1時間(州や夏時間により異なる)なので、時差ボケが起こりにくいというメリットも。

 

2快適な気候

 南半球に位置するオーストラリアは日本と季節が反対なので、避暑や避寒を目的にできる。同時に、主要都市には四季があり、季節ごとの楽しみ方を取り入れることも可能。ケアンズやゴールドコーストは年間を通して過ごしやすい。

 

3抜群の治安

 日本並みの治安の良さは、世界情勢を考えると最大のメリット。また、新型コロナウイルスによる入国制限はなく、出国前のワクチン接種証明や到着後の検査も必要ない。なお、水道水の飲料や宿泊施設などの衛生管理も整っている。

 

4充実のホテル

 コロナ禍以降、100以上のホテルが開業または改装され、最高級ブランドのシティリゾートホテルから個性的なプチ・ホテルまでラインナップが豊富。ブティックホテルやオーベルジュ、ファームステイなどもおすすめだ。

 

5多彩なベニュー

 世界クラスのコンベンションセンターが各主要都市に完備されている。船や島、ガーデン、テーマパーク、アウトバックなどあらゆる場所がユニークベニューとして活用でき、イベントの主旨やクライアントの好みによって選択が可能。

 

6美食とワイン

 西洋と東洋をフュージョンしたモダンオーストラリア料理や世界的評価の高いオーストラリアワインなど、極上のフード&ワインを提供。移民の国なので世界各国の本格料理が味わえるほか、和食のレベルも高いと評判だ。

 

7雄大な大自然

 世界遺産大国のオーストラリアでは、世界最大級の一枚岩や珊瑚礁群、熱帯雨林、奇岩群などラインナップがユニーク。その多くは主要都市から気軽にアクセスでき、現地で参加できるアクティビティを体験できるのが魅力だ。

 

オージー・スペシャリストプログラム(ASP)

ウェブサイトのトップページ、大幅リニュアルでより使いやすく!

 

https://www.aussiespecialist.com/ja-jp

 

学習はセルフペースで

プランニングに役立つ情報も満載

 「オージー・スペシャリスト・プログラム(ASP)は、オーストラリア政府観光局が開発した業界向けのオンライン学習プログラム。自分のペースで進めることができるトレーニングコースやウェビナーをはじめ、販売に役立つモデルコースの日程表、ファクトシートなども入手できる。スペシャリストに認定後は、認定者を対象とした懇親会や研修旅行などへの参加も用意されており、ニュースレターに最新情報が随時掲載されるので見逃せない。なお、3月末にはユーザーテストに基づいてトップページが大幅に変わり、より使いやすいサイトになった。

 

スペシャリスト認定後も

随時情報のアップデートを!

 オージー・スペシャリスト・プログラムは最終ログインから1年経過すると認定が取消となり、プライバシーポリシーの観点から一定期間を経てアカウントが削除されてしまう。せっかくの認定を維持するためにも、定期的に新規追加される学習コンテンツやウェビナーを活用したり、デジタル資料をダウンロードしたりと、オーストラリアの最新情報を取得するのがおすすめだ。

 

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