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2018.11.02

WING

JAL、ロンドンで飲酒の副操縦士が警察当局に拘束

規定はるかに上回る量、社内で検知できず

 日本航空(JAL)は11月1日、ロンドン・ヒースロー空港で乗務予定だった副操縦士から、英国が法令で定める基準を大きく超えるアルコール値が検出され、地元の警察当局に拘束されたと発表した。会見した同社運航本部長の進俊則専務は、「社内のチェックで検知できず、乗務直前に第三者の指摘により発覚したことを大変重く受け止めている」と述べて謝罪した。JALでは新型アルコール感知器の速やかな導入、乗務前の相互確認の徹底など再発防止策を示し、安全運航の遵守を強調した。また、この副操縦士が乗務を予定していた28日のロンドン発・羽田行きJL44便は、この影響で遅延が発生し、1時間9分の遅れでヒースロー空港を出発した。
 JALによると、この副操縦士は空港のオフィスへ出社したとき、JL44便へ乗務する運航乗務員同士でアルコール感知器を使用した検査を行ったが、アルコール反応がなかったという。しかし実際に副操縦士からは、後の検査で英国の定める血中アルコール濃度の規定値200mg/lを大きく上回る1890mg/lのアルコールが検出された。副操縦士を含む運航乗務員ら3人は、乗務する航空機までバスで移動するが、このバスの運転手がアルコール臭を感じ、保安担当者へ報告。保安担当者が警察へ通報した。副操縦士は、警察当局の検査でアルコールが検出されたため、拘束されることとなった。
 拘束が一時解かれた副操縦士からの聞き取りでは、運航規定の定める乗務12時間前以降の飲酒はなかったものの、宿泊したホテルのラウンジと自室で、乗務20時間前までに赤ワイン1本強、ロゼワイン1本、ビール330ml3杯、缶ビール2本を飲んだとしている。感知器による適正な検査を行ったのか、という問いに対して、副操縦士は“申し訳ない”と返答したのみだということで、進専務は、感知器の使用において「何らかの不適切な使用があったのでは」とも述べた。さらにJALでは、社内検査をすり抜けたという事実から、副操縦士本人がアルコールによる影響があったと認識していた可能性もあることに言及。今後詳細を明らかにするとしている。

 

※写真=会見するJAL上層部。左から佐々木敏宏運航安全推進部長、運航本部長の進俊則専務、太田英明運航本部副本部長、北原宗明広報部長