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2018.11.02

WING

エアバス、日本の運航機数は20年間で1600機以上に

二倍近く拡大、単通路機増加や国際線成長著しく

 エアバスのアジア・北米担当マーケティングバイス・プレジデントのヨハン・ヴァン・デル・ハイデン氏が来日して11月1日、都内で記者会見に臨んだ。ヴァン・デル・ハイデン氏は、日本の国内線・国際線で運航される旅客機数は、今後20年間(2018‐2037年)で日系キャリアと海外航空会社をあわせて、「1600機以上に拡大する」との予測を示した。2018年現在、日本の国内線・国際線で運航中の機体数は約890機ほどであることから、日本市場で必要とする機材数は2倍近くにまで拡大する計算だ。
 なお、エアバスは日系キャリアにおいて、約100機が運航中だ。今後、全日空(ANA)がA380を、日本航空(JAL)がA350XWBを受領して、いずれも2019年から運航を開始する。現在は単通路機のみの運航に留まっているが、来年にはいよいよエアバスの広胴機が日系キャリアのフリートに加わる。受注残数も70機以上あるとのことで、エアバス機が日本市場で存在感を更に拡大していく。
 ヴァンデル・ハイデン氏は「過去30年間で、航空輸送需要の中心は、大西洋の真ん中から、東や南方面へとシフトしてきた」ことに言及。航空輸送需要の中心が東や南方面へ少しずつ移動してきたことは、アジア太平洋地域の台頭が大きいとの見方を示しつつ、「アジア太平洋地域では今後20年間で約1万5900機、金額換算で約2.4兆ドルの需要が見込まれる」との見方を示した。これは世界の新造機需要のうち実に43%がアジア太平洋地域から発生する計算だという。
 こうした力強い成長が見込まれるアジア太平洋地域に隣接する日本市場だが、「2002年以降、日本の国内・国際線の旅客数は1.5倍になった」との認識を示しつつ、「とくに直近5年の成長率が高い。国際線の成長も堅調」であることに触れた。エアバスは、日本の旅客需要は20年間で、年率平均2.9%で成長していくと予想。成熟した国内線の平均成長率は年率1.4%に小幅な成長に留まるものの、国際線の平均成長率は年率4.2%と、大きく成長する予想だ。
 ヴァンデル・ハイデン氏は、日本市場でも機体需要の中心はやはり最大3000海里程度を運航する単通路機と予想。エアバスの予測では今後20年間で必要となる機材数は1604機あって、このうち54%に相当する864機がこの短距離を運航する単通路機になるとの予測を明らかにした。その上で、「日本において単通路機の成長は顕著」であることに言及。「過去10年間における単通路機の成長は世界平均を上回る」との見方を示した。

 

※写真=会見するアジア・北米担当マーケティングバイス・プレジデントのヨハン・ヴァン・デル・ハイデン氏