ワイキキの人気ホテルとして輝きを増す ヒルトン・ハワイアン・ビレッジがさらに進化(ヒルトン・ハワイ)
世界的なホテルブランドのヒルトンがハワイで展開するのがヒルトン・ハワイの3ホテル。いずれもオアフ島やハワイ島で日本の旅行業界や日本人旅行者にとってなくてはならないホテルとして人気を集めている。コロナ禍を経てもその輝きは変わらない。それどころか、積極的なリノベーションや新施設のオープンでますます魅力を増している。
ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾート
人気度調査で断トツのワイキキ人気No.1
ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾートは、まだ日本人旅行者が途絶えていた2021年からすでに米国内旅行者に人気のホテルとして賑わいが回復。全米ベストビーチ調査で2014年にNo.1を獲得したホテル前のデューク・カハナモク・ビーチが、美しい白砂の景観や海水のきれいさ、良好なアクセス等が評価されて、直近の調査でもNo.2(ハワイではNo.1)に選ばれたこともホテル人気を加速。ワイキキ主要6ホテルを対象とした調査では、人気度、稼働率とも他ホテルを20ポイント以上引き離して断トツのNo.1を獲得している。
滞在中はホテル内で過ごすのを好む米国人旅行者に人気を博している理由の一つが付帯施設の充実ぶり。ホテル内にはキッズ・プールを含む種類違いのプールが5つあり、さらに海水を引き込んだラグーンやホテル前のビーチで各種マリンアクティビティが楽しめる点がライバルホテルにない魅力となっている。
食の魅力が多彩な点も人気に直結している。直営レストランだけでも、バリ・オーシャンフロント(朝食・ディナー)、トロピックス・バー&グリル(朝食・ランチ・ディナー)、ハウ・ツリー・バー(プールサイドで軽食とドリンクを提供)、タパ・バー(ライブ・エンターテインメント付き)、ミックスバー(ザ・アリイ2階プールサイド)の5つがある。
また個性ある飲食店がホテルに出店しており、行列ができる人気アイスクリームショップ「ラパーツ・ハワイ」や「フレスコ・イタリアン・レストラン」、「ラウンド・テーブル・ピザ」、軽食の「CJ’sニューヨークスタイル・デリ」、ハワイ生まれのシーフードレストラン「ブルーウォーター・シュリンプ&シーフード」、かつて紅花の名で親しまれていた「アオキ鉄板焼き」などが味を競っている。
さらに5月末から和朝食ビュッフェを開始した「初花」では朝から焼き魚、煮物、すくい豆腐、おかゆ、漬物など日本の味を楽しめる。
加えてホテル直営のフードトラック(日本のキッチンカー)が新たにサービスを開始予定で、朝・昼(金曜のみ夜も)で営業。メニューは定期的に入れ替わるが最初はコリアンスタイルのタコス等を中心に、朝はマラサダ(ハワイ風ドーナツ)を提供する。
ホテル全体で取り組むサステナブルツーリズムの一環としてハワイ州観光局の「マラマハワイ」にも積極的に協力。
宿泊とマラマ体験を組合わせたパッケージプランを用意。5連泊を条件に、1泊無料の特典に加え、クアロア・ランチのタロイモ畑での農作業体験ができるマラマ体験ツアーを無料提供している。
リノベーションに関しては、タパ・タワーでの作業が3階から14階までの最終工程を迎え、今年末までには全室の作業が完了する。次はレインボー・タワーを改装する計画で来年開始し1年半かけて作業する。改装としては破格の1部屋10万ドルを投じる大掛かりなものになる予定だ。また、旧ダイヤモンドヘッド・ホワイトビーチ・チャペルを100人収容の宴会場に改装しており、ラグーンと海を見 晴らせてホテル主催の花火(9月までは夏時間のため8:00スタート)も間近に見られる宴会場に生まれ変わる予定だ。
なおヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾートでは新棟の建設計画も進んでおりカリアタワー横に用地を購入済み。2025年に着工し2027年頃の完成の見込みで、36階建て515室の新タワーが誕生する予定だ。
ダブルツリー・バイ・ヒルトン・アラナ・ワイキキ・ビーチ
日系総支配人の誕生で日本からの団体受入がより積極化
今年の4月、ダブルツリー・バイ・ヒルトン・アラナ・ワイキキ・ビーチの総支配人にハワイ生まれの日系人であるショーン・オノ氏が就任した。オノ総支配人は前職ではシェラトン・ワイキキでルームディレクターを務めており、日本の旅行業界にもお馴染みの人物。新総支配人の就任は日本市場への取り組み強化の一環でもあり、同ホテルではすでに3月から日本人団体向けの新プランも用意している。
主として小団体や修学旅行、研修旅行などの50~100人程度のグループ受け入れを想定している。宴会・会議場は最大200名以上を収容可能で、100人程度の中規模会場のほか、30~40人収容の小規模会場も6つある。
徒歩5分程度で行くことができるヒルトン・ハワイアン・ビレッジ前のビーチやラグーンといった施設を利用できるのはヒルトン・リゾーツ・ハワイの一員としての強みの一つとなっている。
なお6月中にはホテルの外装刷新を完了し、一新される予定だ。
ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ
新フィットネスセンターや新テラスもオープン
このほどテニスコート併設のプロショップ跡地に新フィットネスセンターが誕生。米国で大人気のサブスク式オン
ライン・フィットネスサービス、Peloton(ペロトン)のオリジナル・トレーニングマシンが設置され、宿泊客はお試しのサブスク会員としてオリジナルマシンを利用できる。このほかセンター内のピラティス/ヨガスタジオ、サウナ等も利用できる。
またホテルを代表するレストラン、カムエラ・プロビジョン・カンパニー(KPC)に隣接する屋外スペースに、新たにKPCラナイというカクテルや軽食が楽しめるスペースを新設。また、テラス席は、140人まで収容可能で太平洋を一望できサンセットを眺めながらディナーを楽しめる。
また週3日(火・木・土)の朝8時から、ドルフィンラグーンのイルカたちがラグーンへ移動して来てドルフィンジャンプなどを披露する「ドルフィン・サンライズ・スプラッシュ」がスタート。ラグーンで遊ぶ2人乗りドラゴンボートやフローティングカバナもデビューした。
休止中だったビッグ・アイランド・ブレックファスト・アット・ウォーター・エッジの朝食が6月16日から再開されたほか、レストラン「ヌイ・イタリアン」のルームデリバリー(17:00~21:45)も開始され、ピザやパスタ等を部屋で味わえるようになった。
早目の手配で客室確保は問題なし
米国本土客は一足先に回復していたの対し、日本人客は今年3月頃からようやく回復。日本市場の存在感の低下が懸念されるが、ヒルトン・ハワイの松田光裕営業本部長は日本側の不安を一蹴。「日本人客は部屋へのこだわりが強く高いカテゴリーの客室を利用してくれるため、ありがたい存在。米国人の国内旅行需要も下火に向かう傾向で日本人客の1日も早い本格回復が期待されている」と指摘する。また米国人客の予約時期は旅行3カ月前が中心であるのに対し、日本人客は3~6カ月前の予約が多く「早目の予約をすれば確実に客室を押さえらえれる」と説明。
さらに日本で広まる「ハワイ物価高」説については「物価高を象徴する話として『ハワイではラーメン1杯2500 円もする』といったエピソードが語られるが、ハワイでは 地元の食を楽しんでもらえば納得してもらえるはず」と主張する。アサイーボールやロコモコ丼、ポケ丼などは、格別に安いわけではないものの「間違いなく満足感はハワイで食べるラーメンより上のはず」とし、ハワイ旅行と単純な物価比較は切り離して考えてほしいと訴える。
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