記事検索はこちらで→
2018.11.05

WING

ANA中間決算、純利益37.7%減の737億円に

需要堅調も燃油高騰や自然災害など影響

 ANAホールディングスが11月2日に発表した2019年3月期中間決算(18年4月‐9月期)によると、連結決算の純利益が前年同期比37.7%減少(446億円減)した737億円に留まった。この要因は、前期にピーチ・アビエーションの連結子会社化に伴う株式評価の洗い替えによる特別利益として338億円をはじめとして、439億円を特別利益として計上。しかしながら当期においては、そうした特別損益がないため。
 売上高は5.4%(530億円増)伸びた1兆380億円と、第2四半期決算で初めて1兆円の大台を突破することに成功。一方で燃油市況が高騰したことや台風、北海道地震、そして787搭載用エンジンであるTrent1000などの点検整備による欠航などの影響を受けて、営業利益は8.6%減少(98億円減)した1052億円に、経常利益ベースでも8.7%減少(98億円減)した1029億円となった。
 国土交通省で会見に臨んだANAホールディングス経理・財務室長の福澤一郎執行役員は「台風や北海道地震といった自然災害やエンジン点検整備による欠航があったなか、国内線旅客事業の減収を最小限に留め、国際線旅客事業ならびに国際線貨物事業において、引き続き高い水準を維持したことから、連結売上高は前年同期に比べて5.4%増加した」と評価。一方で営業費用については「燃油市況が継続的に上昇しており、燃油費が257億円増加した」ことに言及しつつ、「中期経営戦略に基づき、安全と品質、サービスに係る投資を進めた結果、7.2%増加した9328億円となった」ことを明かした。その上で、「営業利益、経常利益ともに、前期に引き続き1000億円を超える水準を確保した」と、前期比ベースで減益も、高い水準で利益を確保したとしている。

 

国内線旅客収入、相次ぐ自然災害で0.8%減
787エンジン点検整備による計画欠航も影響

 

 セグメント別の状況のうち、航空事業における国内線旅客事業の旅客収入は、前年同期比0.8%減少した3523億円に留まった。ちなみに座席キロは2.3%減少した293億7200万座席キロ、旅客キロは2051100万人キロだった。
 ANAは今年4月から機内Wi-Fiサービスの無料化や、福岡空港に自動手荷物預け機を導入したこと、さらには搭乗日の355日前から搭乗券を予約・購入することができるように期間を拡大するなど、利用者利便・快適性の向上に対する投資を進めた。

 

※写真=自然災害の影響で国内線旅客収入が90-100億円規模の減収。それでも国際線旅客や国際貨物事業が好調で増収を確保した。国土交通省で決算会見に臨むANAホールディングス経理・財務室長の福澤一郎執行役員