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火星飛行機試験機、大樹町で大気球から切り離し・飛行
風試やCFDにデータ活用、大気密度1/100の空を飛ぶ機体開発
火星の大気を飛行機が飛ぶ―――。そう遠くない将来、そんな世界が訪れようとしている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、火星を飛行機が飛ぶことを実現するべく、北海道大樹町で実験を行った。
JAXAは去る7月26日午前3時53分、火星探査用飛行機の高高度飛行試験を目的として実験を行うべく、大樹航空宇宙実験場から気球を放球。飛行試験機を気球から切り離して、各種データを取得することに成功した。
JAXAが火星飛行機の研究を進めている理由は、高精度・広範囲な磁場観測や地質調査、崖の露頭の地層観測に飛行機を活用することで、火星の惑星科学を前進させることが狙いだ。
ただ、火星の大気密度は地球上100分の1ほど。つまり火星飛行機が火星の空を飛ぶためには、機体はもちろん、各種観測機器の小型・軽量化、空力性能・推進性能の大幅な向上を図っていくことが不可欠となっている。
さらに、飛行条件が超低レイノルズ数(主翼翼弦長基準で数万)になるため、このレイノルズ数領域で性能が良い機体を開発する必要がある。
※画像=火星飛行機のイメージ(提供:JAXA)
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