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第182回「日本が危ない」戦争はどのようにして始まるのか
台湾危機シミュレーション
新たな戦略は機能するのか
台湾海峡危機にいかに日本政府は対処できるかのシミュレーションが7月15、16の両日、防衛省近くのホテルグランドヒル市ヶ谷で行われた。演習想定時は2027年。国家安全保障戦略をはじめとする戦略3文書が改定された昨年12月から5年以上経ち、新戦略が有効に機能するか、課題を探った。
一般社団法人「日本戦略研究フォーラム」(会長・屋山太郎)が主催したもので、今回で3回目。
「首相」役の元防衛相、小野寺五典ら自民党国会議員10人、「国家安全保障局長」役の元防衛事務次官島田和久ら元政府高官、統裁部長の元陸上幕僚長、岩田清文ら元幹部自衛官、「米大統領」役の元国務省日本部長ケビン・メアら元米政府当局者のほか、初めて台湾のシンクタンク関係者も参加した。
今回はシナリオ1の「ハイブリッド戦の始まり~表向き軍事力を伴わず『防衛上の事態』とは見え難い活動の活発化への対応」を特集する。
始まりはリーク文章から
大規模なサイバー攻撃へ
2026年後半からSNS上に、日本の与党幹部と台湾民進党幹部が署名した「台湾独立を実現するための協定」と題された「文書」がリークされた。リベラル派のインフルエンサーは「台湾での戦争に巻き込まれるな」、「平和憲法を守れ」とのキャンペーンを展開した。連動する形で、野党は国会で台湾独立を認めるのかと政権を追及した。
今回で3回目となる台湾有事のシミュレーション
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