記事検索はこちらで→
2023.08.07

WING

山梨空港実現するか?企画提案公募から見る県の狙いは?

 羽田補完や小型機・ビジネス機想定、リニア駅とアクセス考慮

 

 数少ない「空港無し」県の一つ山梨県。その実現に向けた動きは、山梨県の長崎幸太郎知事の構想の下、以前より存在する。そして今年7月24日、山梨県は空港等開設の可能性に関する調査業務委託に係る企画提案募集(公募型プロポーザル)の実施に踏み切ることを表明した。
 山梨県といえば、富士山、甲斐・武田家の遺跡、温泉やグルメなど、豊富な観光資源を有する。しかしながら、都心からそれほど離れておらず、一体どれだけの旅客需要があるのか、
莫大な建設費に対して、利益を計上していくことができるのか、懸念を感じる人も少なくないことだろう。山梨県にはこれからリニア中央新幹線の「リニア山梨県駅」も整備される。本当に空港が必要なのだろうか―――。
 山梨県のホームページでも、2016年12月に寄せられた質問として県内の空港建設可否に対する問いがあるが、それに対する県側の回答として、「航空交通網の整備は、国内外地域へのアクセス性を飛躍的に向上する効果がある」としながらも、一方で「巨額な建設コストや継続的な利用者確保など、大きな課題があると考える」との見解を示している。その上で、リニア中央新幹線整備事業に言及し、「羽田空港を含む東京圏や名古屋市などの中京圏へのアクセスが、航空機並みに高速化される」とし、当時の県側の回答としては、「費用対効果において大きな課題を抱える空港建設を検討するのではなく、リニア中央新幹線事業を促進するとともに、この鉄道の開業効果を全県に享受するための各種施策を、推進することが必要」というものになっている。
 そこから約6年半の歳月を経て、山梨県は再び「山梨空港」の実現可能性を調査することに踏み切った。今回、山梨県が明らかにした「山梨県における空港等開設の可能性に関する調査業務委託仕様書」を読んでいくと、県の「山梨空港」建設に対する狙いが見えてくる。

 

※写真=山梨空港が実現するか。羽田補完やビジネスジェットやジェネラルアビエーションの拠点として活用することを見込む

お試し価格で全文公開中