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2023.08.24

WING

双日、JALUXグループ会社化で双日エアロと棲み分け

 双日エアロは防衛事業集中、JALUXが民間事業

 双日は昨年、日本航空(JAL)と共同でTOB(株式公開買い付け)によりJALUXへの出資比率を高めて非上場化した。これによりJALUXはJALの連結子会社となり、双日にとっても持分法適用の重要なグループ会社となった。果たしてこの狙いは何だったのか―――。双日航空産業・交通プロジェクト本部を率いる新高辰彦本部長(執行役員)ら幹部が本紙の取材に応じた。新高本部長は、「当社は今年度、現中期経営計画の計画最終年度にある。数値目標を達成することを目指すなか、ウクライナ情勢を中心に世界情勢が大きく変動していると共に、防衛予算が5年間で倍増していくなど、我々を取り巻く環境が劇的に変化している」ことに言及した。
 そうしたなかJALUXをグループ会社化したことを機に、改革に乗り出した。双日グループには、双日エアロスペースという民間航空・宇宙・防衛事業を手掛ける専門商社が存在する。一方、JALUXも民間航空・防衛事業などを展開している。
 「JALUXが双日グループに合流したことで、カニバリゼーションが発生しないよう、双日エアロスペースに防衛事業を集中させ、民間航空はJALUXが担うという仕分けを今年度から実行に移している」ことを明らかにした。
 「これまで両者で同じ案件を仕掛けているようなケースがなかには散見されたが、防衛事業と民間事業の整理を進めることで、カニバリゼーションが発生しない環境を作る」とし、「双日エアロスペースで民間事業を担当していた人員を防衛事業にシフト。これにより、新たな案件に取り組むことができるほか、既存案件でもF-15の近代化など、リソースの充実・強化することで、防衛事業を強化する狙いがある」と説明した。

※この記事の概要
・「シーガーディアン」本格導入へ
 サポート強化の検討深掘り など