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2023.08.31

WING

文科省概算要求、宇宙航空研究開発に2064億円+事項要求

 JAXAの民間・大学へ資金供給能力拡大、航空は前年並み

 文部科学省が公表した令和6年度(2024年度)の概算要求のうち、研究開発局の宇宙・航空分野の研究開発に関する取り組みに関する要求・要望額は、総額2064億円+事項要求となった。前年度予算額の1560億円から大幅に増えた。
 日本の基幹ロケットとなる「H3」ロケットの開発・高度化を図るほか、同じく基幹ロケットとなる「イプシロンS」ロケットの開発を推進。さらに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の戦略的かつ弾力的な資金供給機能の強化に向けて30億円を新規に盛り込むなどした。

 水素電動エンジン研究開発、SAF適用範囲拡大着手
 静粛超音速機の全機ロバスト低ブーム設計等も

 気になる航空科学技術関連の概算要求額は『次世代航空科学技術の研究開発』として、38億5500万円となっており、前年度予算の38億500万円から小幅な増額要求に留まった。
 これにより、航空科学技術分野における未来社会デザイン・シナリオの実現に向けて、脱炭素社会に受けた航空機電動化技術などのCO2排出低減技術の研究開発を深化するほか、JAXAが世界に先駆けて飛行実証に成功した静粛超音速技術を活用した静粛超音速旅客機、さらにはeVTOLなどの次世代モビリティ・システムに関する研究開発を加速する方針だ。

※画像=静粛超音速旅客機のイメージ(提供:JAXA)

※この記事の概要
・航空技術の研究開発推進の具体的中身は?
・基幹ロケット開発推進など総合的基盤強化に614億円超
 宇宙科学・探査は661億円、アルテミス計画など推進
・宇宙安全保障や国土強靭化、GOAST-GW開発推進
 コンステレーション関連技術開発加速   など