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2023.09.04

WING

世界のレーダーのCoE、仏タレスの実力を見よ!

 航空宇宙・防衛大手のタレス、数々の対UAV能力開発

 パリから北西へ約140km。車で2時間ほどの地に広がるのどかな田園風景―――。そこに、航空宇宙・防衛、交通システムそしてセキュリティ分野で世界屈指のフランス企業であるタレスのイマール工場がある。フランス北部ノルマンディー地方にあるセーヌ=マリティーム県イマール。フランスの英雄ジャンヌ・ダルクに所縁がある都市として知られるルーアンの郊外にある小さな街だ。
 筆者自身、どこかホッとするほどのどかな地に、突如として現れたイマール工場に驚きを隠せなかった。この地でまさか世界の最先端の軍民双方向けのレーダーの研究開発・製造が行われていようとは。
 時間の流れがゆったりとした地にあるイマール工場は、1986年に設立された。その敷地面積は30ヘクタール。1万1000平米の作業エリアを有し、約300名のスタッフが働いている。
 このイマール工場は、タレスのレーダー製品のセンター・オブ・エクセレンス(CoE)の一つとして、民需および軍事用レーダーの設計開発、サブアセンブリ、各種試験を行う機能を有する。さらに航空管制レーダーや沿岸監視レーダーの現地統合・設置センターとしての役割も担うなど、タレスのみならず世界のレーダーのセンター・オブ・エクセレンスとなっているのだ。
 タレスによれば、同工場は同社にとって、世界で3番目のレーダー試験センターの1つで、工場の敷地の一角には一次・二次レーダーが設置されている。工場内に滑走路は無いものの、さながらそこは「タレス飛行場」というところ。ちなみに、工場から4kmほど離れたところにはルーアン空港(URO)があって、イマール工場に設置した一次・二次レーダーでルーアン空港を離発着する航空機や近隣を飛ぶ航空機を捉えることができる。

※この記事の概要
・タレス・イマール工場
 軍民双方にレーダーを提供する世界のCoE
・不法ドローンから空の安全を守れ
 タレスが提供する対ドローン「EagleShield IDtect」 など