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NAA中間決算、収益・利益とも民営化以来最高に
非航空系収入が好調、収益割合58%へ拡大
成田国際空港会社(NAA)は11月9日、2019年3月期中間連結決算(2018年4月1日~9月30日)を発表し、営業収益が前年同期比10.6%増の1251億円、営業利益が24.5%増の311億円、経常利益が30.6%増の303億円になり、中間純利益が14.5%減の205億円となった。会見した夏目誠社長によると、アジア方面を中心に発着数が増加。また旺盛な訪日需要などによって国際旅客が増加したため「営業収益、営業利益、経常利益はいずれも民営化以降最高を更新した」という。また中間純利益については、「前年同期に計上した厚生年金基金の代行返上益がなくなり減益となった」ため、過去第2位の中間純利益となったが「この特殊要因を除けば増収増益で実質的な第1位」だと話し、堅調な経営状況を説明した。
NAAの今年度上半期は、航空機発着回数が前年同期より1%増の12.9万回の中間期最高となったため、空港使用料収入が増収となった。さらに国際線旅客数が8.5%増の1811万人と大幅に伸びたことで、旅客数全体では5.8%増の2173万人と、4期連続で最高値を更新。旅客施設使用料収入が増収となった。物販・飲食収入、構内営業料収入については、国際線旅客の増加と併せて、前年度下期より順次開業した新店効果などで増収となった。そのため、営業収益として1割を超える大幅な増加となった。
事業ごとの成績を見ると、空港運営事業の収益が5%増の557億円、リテール事業が20.8%増の522億円、施設貸付事業が2.2%増の156億円、鉄道事業が0.1%増の14億円だった。特にリテール事業の伸びが著しく、NAAでは非航空系収入を伸ばして収益力を拡大している。今年度上期の収益割合は、航空系42に対して非航空系が58となった。これは、前期末が航空系44対非航空系56、前期中間が航空系45対非航空系55だったため、さらに非航空系収入を拡大したかたちとなった。
またNAAでは、多発した台風や地震の影響がわずかながらプラスに働いたという。9月の関西国際空港閉鎖を招いた台風21号の通過では、88便の欠航によって約1600万円の減収効果があった。しかし、関空閉鎖時期の成田の臨時便運航が517便だったとして、約1億7000万円の増収になったという。北海道胆振東部地震の影響については、北海道線の欠航が50便発生し、約700万円の減収効果があったとのこと。
※写真=会見を行う夏目社長
※図=通期取扱量見通し(提供:NAA)