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2023.09.28

WING

〈空の日特別寄稿〉~コロナ禍後の堅調な航空需要回復を期待して~

関西空港事務所長 仲田貴文

 

 関西国際空港は大阪国際空港の抱える騒音問題を解決するため、泉州沖5キロの海上に建設された空港です。埋立てにあたっての軟弱地盤対策や地盤沈下を想定した構造設計など、多くの技術的課題を克服し、さらに運用にあたっては飛行経路の工夫など環境面の配慮を講じた上で1994年9月に開港を迎えました。
 当空港においては、2012年以降、ピーチアビエーションをはじめとする国内外LCCネットワークの拡大、これと歩調を合わせた訪日外国人の増加により旅客数、離着陸回数とも、2019年度までの8カ年では、年平均10%もの目覚ましい増加が見られ、2019年度には、旅客数2877万人、離着陸回数19.6万回と開港以来の最高値を記録しました。また、2019年暦年値では、離着陸回数は20万回を越え、繁忙期にはスロット上限に達する時間帯も多く見られました。その後、2019年度末、航空界全体に新型コロナウィルスの影響が及び、一挙に航空活動が停滞してしまい、2020年度には、旅客数226万人、離着陸回数5.8万回と開港以来の最小値を記録し、2021年度でも、それぞれ、363万人、7.2万回と厳しい状況でありました。2022年度には、国内線については、ほぼコロナ禍前のレベルまで回復しましたが、国際線については、旅客数はコロナ禍前の2割強、離着陸回数は4割弱に留まりました。

 

※写真=関西空港事務所の仲田貴文空港長

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