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2023.09.29

WING

NY市は年平均1.6ミリ沈下、ラガーディア空港は3.7ミリ

 衛星データ解析で明らかに、人為・自然要因で沈下・隆起

 

 米航空宇宙局(NASA)の研究チームは、衛星データを活用し、大都市圏のニューヨーク市の土地が、人為的もしくは自然的な理由によって年平均約0.06インチ(1.6ミリメートル)沈下していることを突き止めたことを明らかにした。
 この研究は南カリフォルニアにあるNASAジェット推進研究所とニュージャージー州にあるラトガース大学の研究者チームによって発表されたもの。研究チームは干渉型合成開口レーダ(InSAR)と呼ばれるリモートセンシング技術を駆使して、2016年から2023年にかけてニューヨーク市の都心部全域の土地の隆起と沈下を分析した。その結果、さまざまな速度で沈降もしくは隆起していることが明らかになったとし、「変化は年間数インチの小さな変化にも見えるが、地球温暖化に伴う海面上昇に関連し、局地的な洪水や高潮リスクが増大したり、もしくは減少する可能性がある」ことを指摘した。
 人為的な要因で沈下しているところもあるが、一方で自然的要因もある。約2万4000年前、巨大な氷床がニューイングランドの大部分に広がり、高さ1マイル(1.6km)以上の氷の壁が、現在のニューヨーク州北部のアルバニーを覆っていた。

 

※写真=沈下速度はゆっくりだが確実に地盤沈下が進む。温暖化で海面上昇するなか高潮や洪水リスクが高まる危険も(提供:NASA)

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