新しい観光の目玉【ハンガリー観光庁】
過去と未来をつなぐブダペストのユニークな建築遺産を発見
ヨーロッパの中央を流れる大河ドナウの両岸に広がる
美しいブダペストの街並み
王宮のあるブダ側と対岸のペスト側を結ぶ「くさり橋」(写真中央)は、2023年8月に改修を終えたばかり。美しいライトアップも復活しているので必見だ。
黄金時代の姿を取り戻す
ブダ王宮復元プロジェクト
ハウスマン国家事業
ドナウ川の西岸、ブダペストのブダ側に建つブダ王宮は、古くはハンガリー王国の王宮として13世紀以降、長い間この地を治めた古い歴史を誇り、現在ではブダペスト随一の人気観光スポットだ。
現在の王宮は、オーストリア=ハンガリー二重帝国時代の19世紀末にハウスマン・アラヨシュの設計により建てられたもので、荘厳なバロック様式が特徴。第二次世界大戦末期に壊滅的な破壊を受けたが、その後ハンガリー国民の努力により再建されたものの、いくつかの建物は再建されずに放置されていた。
ハンガリー政府は、国民のよりどころでもあるブダ王宮を復元するプロジェクト「ハウスマン国家事業」を2019年にスタート。以来、王宮周辺を含め、いくつかの建物が当時の姿に復元されており、新たな観光スポットとなっている。
王宮南回廊に復元された聖イシュトヴァーンの間
「宮殿の宝石箱」と称され、内部には1900年のパリ万博で大賞を受賞した作品で、1kgもの純金を使ったジョルナイの暖炉など、当時の名工たちの作品の数々が復元されている。
創建時の荘厳な姿を取り戻した覆い馬場
第二次世界大戦末期に破壊され、その後は更地となっていた。現在は、カフェや多目的ホール、イベント会場としても利用できる。衛兵詰め所も再建された。
日本人設計の新ミュージアムも
ブダペスト市民公園の再生プログラム
リゲト・ブダペスト・プロジェクト
オーストリア=ハンガリー二重帝国の時代に整備され、ブダペスト市民や観光客にも親しまれてきたブダペスト市民公園。現在、この公園を中心とした再生プログラム「リゲト・ブダペスト・プロジェクト」が進行中だ。
新たに国立民族学博物館やハンガリー音楽の家がオープン。また、これまであった国立西洋美術館、ハンガリー千年の家の改修も完了、今後は新国立美術館のオープンを控えている。
なかでも、音楽の家と新国立美術館は、日本人が設計を手掛けており(音楽の家:藤本壮介氏、新国立美術館:SANAA)、ハンガリーと日本の良好な関係を象徴している。
ヨーロッパ最大のコレクションを誇る国立民族学博物館は、2022年5月にオープン
公園の環境に調和したユニークな弧を描いた建物が特徴。
ハンガリー千年の家は公園で最も古い建物のひとつ
改修後はコンテンポラリーアートの展示スペースとして生まれ変わった。
2022年1月にオープンしたハンガリー音楽の家
光を多く取り入れたそのユニークな形状は、浮遊する音符をイメージしたもので、ハスの実を思わせる。地下にはハンガリーの音楽が学べる博物館、地上にはコンサートホール、野外ステージなどがあり、貸し切りコンサートや施設見学もできる。
写真クレジット/トップ写真と「ハウスマン国家事業」の写真:©HTA、「リゲト・ブダペスト・プロジェクト」の写真:©Várkapitányság Nonprofit Zrt.
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