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2018.11.15

ウイングトラベル

「出張規定の管理/遵守にデータ活用が不可欠」

GBT NTAがフォーラム、最新のBTM動向紹介

 アメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル・日本旅行(GBT NTA)は、毎年恒例の「ビジネストラベルフォーラム」を開催。7回目となる今年は「一歩先を行くトラベルポリシーマネジメント」をテーマに、企業の出張規定管理の現状や今後求められる方向性について、自社ソリューションを交えながら紹介し、出張規定の管理や遵守を行う上でのデータ活用の重要性を訴えた。
 冒頭、同社代表取締役社長の内山博生氏は「出張プログラムの最適化のために、どのようにポリシーマネジメントをしていくか、という視点で、ポリシーマネジメントの要点についてご紹介したい。より良い出張プログラムの構築、ビジネストラベルマネジメント(BTM)の進化につながるきっかけになれば」と挨拶。
 出張規定の管理が求められる背景について、同社事業戦略&開発本部本部長の滝田祥丈氏は、「海外出張が当たり前となり、ボリュームが増え、さまざまな人達が行くようになった。また経費精算システムの導入など、プロセス改善への投資に余裕が出るようになり、出張費の可視化、効率化への意識が高まった」と説明。一方で現場(出張者)と、管理(出張管理者)の間の相違や、海外支社とのギャップといったポリシーマネジメントの難しさもあると指摘した。
 続いてアメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル(AMEX GBT)より、グローバルビジネスコンサルティング APAC統括のハリス・マンルターク氏が海外事例を交えながら、データ牽引型の出張規定の運用方法について紹介。「出張データをきちんと取ることで、それはリッチコンテントになる。さまざまなシミュレーションで判断を下せるようになる」と強調した。
 マンルターク氏は、具体的に「出張規定の運用」「費用の最適化」「戦略的ソーシング」「注意義務」の4つに分け、出張規程管理におけるデータ活用の一例やその重要性を指摘。「出張規定の運用」では、出張データを業界標準や他社と比較をすることで、「その会社の強みや弱みを把握できる。弱みを改善につなげることができる」と説明。「費用の最適化」では、出張データに基づいたシミュレーション分析で、例えば航空券の早期購入や、出張者によるオンラインブッキングツール(OBT)の活用で、どれだけコスト削減効果があるか試算できるとした。
 「戦略的ソーシング」では、航空会社やホテルとの料金交渉に活用できる出張データを紹介。「注意義務」においては、危機管理にとどまらず、出張者の身体への影響を考慮し、「社員の生産性が高まり、気持ち良く出張できる環境づくりが優秀な人材確保にもつながる」と述べた。
 ほかにもフォーラムでは、企業の出張管理者を交えたパネルディスカッションを実施。ビジネスクラスの利用を飛行時間で規定したり、宿泊費の上限を設定したり、また指定旅行会社のツール利用を奨励したり、推奨航空会社/ホテルを設けたりなど、出張規定に関する現場での具体的な取り組みが紹介された。
 またこうした出張規定の遵守においては、「トラベルマネジメントプログラムの運用開始時は、出張者への周知に苦労した」「具体的に数字で見せることで、上層部のコスト削減意識を高めた」「実際の手配を行う秘書への情報共有やアドバイスを行った」などの意見や取り組みが上がり、「出張規定をどう運用していくか、情報発信やデータに基づいた啓蒙活動が必要だ」(GBT NTA滝田氏)と指摘した。

 

 バーチャルペイメント紹介、出張精算に有効
 協賛各社からもプレゼンテーション

 

※写真=(上)左からGBT NTA内山代表取締役社長、同滝田氏、AMEX GBTマンルターク氏(下)パネルディスカッションの様子

 

 

※写真=左からカンタス航空荻野雅史日本支社長、セーバー小山真澄グローバルアカウント担当部長、デルタ航空東日本法人営業部平野英樹部長、シャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツ リージョナルセールスオフィス福田公子セールスエグゼクティブ