ウイングトラベル
南ア観光見本市「インダバ」にJOTCが初参加
アウトバウンド新商品造成へ観光素材を開拓
アフリカ最大の観光見本市「インダバ(Africa’s Travel INDABA)2018」が今年も5月8日〜10日の3日間にわたりダーバンで開催される。今年は、日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)の中近東アフリカ部会が初参加し、南アフリカを含めた南部アフリカの新しい商品造成に向けて、観光素材の開拓に力を入れていく。南アフリカへの日本人旅行者数は2017年には前年比6.2%増の2万7410人と好調に伸びた。今回、回復基調にある市場や今年のインダバへの期待、市場拡大に向けた課題や観光の魅力について、南アフリカ観光に携わるキーパーソンが座談会を実施し、意見交換を行った。
南部アフリカの情報収集とネットワーキング
インダバに若いプランナーの参加を
JATA海外旅行推進部副部長の飯田祐二氏は、「昨年JOTCが立ち上げられた。地域ごとに6部会あるが、そのひとつが中近東アフリカ部会。業界全体を見ても、他の地域に比べると、まだ取り組みが十分ではない。その分、JATA会員の旅行会社がアフリカの市場を開拓していく余地はあると考えている。今回は、旅行会社のプランナー、特に若い人に参加してもらい、現地を実際に見て、サプライヤーと会うことで造成の具体的なイメージをつくってもらいたいと考えている。また、昨年のツーリズムEXPOジャパンに元南アフリカ観光大臣のトコジレ・カーサ氏が来日し、田川JATA会長とも会談した。長年アジア太平洋地区プレジデントを務めていたブラッドリー・ブラウワー氏が本局に戻ると聞いている。人が変わるタイミングは大事なので、インダバで後任の人ともお会い出来ればと期待している」とアフリカ市場の将来性を語った。
日本橋トラベラーズクラブ社長で、JOTC中近東アフリカ部会長を務める西山徹氏は、インダバについて、「アフリカ最大の観光見本市で、昨年は南アフリカだけでなく、アフリカ21カ国のセラーが集結した。現地では、日本をアジア市場とひとくくりにする傾向があるが、日本の市場特性は他のアジア諸国とは違う。参加する旅行会社には、現地の情報を獲得するだけでなく、日本のマーケットの実情を現地のサプライヤーに知らせる必要もあるのではないか。また、参加する旅行会社それぞれの特長もしっかりと伝えることも大切で、そうすれば、有益な情報を収集することができる」とインダバの重要性を指摘した。
JTBグローバル事業本部国際部長で南アフリカ観光大使を務める古澤徹氏は、「インダバにはこれまで2回参加した。1回目は2007年に発足した『南アフリカ旅行拡大ワーキンググループ』の活動の一環として、2回目はW杯の直前に参加した。インダバは国をあげて開催する大規模な観光イベント。会場も広く、展示も工夫されている。南アフリカだけでなく、南部アフリカを含めたサプライヤーとのネットワーキング構築が可能で、さまざまな情報にアクセスすることもできる」と、インダバの有用性を語った。
アフリカのランドオペレーションを手掛けるUTIジャパン会長の井上照夫氏は、「インダバには5回ほど参加したことがある。以前は現地のランドオペレーターなどで組織するSATP(南部アフリカ観光促進協議会)として参加したり、日本の旅行業法などの説明のために現地サプライヤー向けにセミナーなどを開催したこともある。もちろん南アフリカが最優先だがが、サブサハラのアフリカの国、モーリシャス、セイシェル、マダガスカルなどインド洋の国々の観光局やサプライヤーとも会うことができる。これはインダバならではだ」と旅行業界B2Bにおけるインダバの魅力を語った。
※写真=南アフリカと南ア観光見本市「インダバ」の魅力について語る、左から西山氏、井上氏、近藤氏、古澤氏、飯田氏