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2023.11.22

WING

ハンブルク空港、2050年に年6万トンの水素需要

 DLRとインフラ整備ロードマップ、60%が水素航空機に

 ドイツ航空宇宙センター(DLR)とハンブルク空港は11月21日、ドイツの中規模空港のハンブルク空港を事例とした水素インフラ整備に関するロードマップを策定したことを発表した。
 地球温暖化対策が喫緊の課題となるなか、持続可能な航空輸送の実現に向けて、2050年には実質排出ゼロとすることが目標となっている。そうしたなかDLRは合成燃料、電気、水素といった革新的な推進コンセプトの市場投入戦略を研究してきているほか、ハンブルク空港と共に水素センターとしてのハンブルクのビジョンを実現するべく、「Networked Mobility for Liveable Places」 (Vernetzte Mobilitat fur lebenswerte Orte:VMo4Orte)” プロジェクトの一環として、空港における水素利用に向けたロードマップを開発した。
 DLRらによれば、空港における水素旅客機用の水素インフラ整備には、体系的なアプローチが必要であることを強調。地上におけるインフラ、陸路での水素供給計画、空港プロセスの調整、航空機の技術開発が前提条件となるとした。
 今回発表されたロードマップでは、ハンブルク空港を例に、予想される水素需要量、水素供給システムの設計、現在の視点から予想されるコスト、空港インフラへの適合および空港における運用プロセスの変更など、さまざまな観点に亘ってまとめた。
 DLRの予測によれば、政治サイドと産業界が適切な方針を打ち出せば、水素を動力源とする最初の短距離フライトは、「早ければ2030年代にも実施される可能性がある」とし、「2050年までには、ハンブルク空港における水素エンジンを搭載した航空機の割合は60%に達するだろう」と予測。「そうなれば、ハンブルク空港の年間水素必要量は6万トンに達し、一方でCO2排出量は大幅に削減されることになるだろう」との予測を明らかにした。