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2018.11.21

ウイングトラベル

JTB18年度中間決算、9年ぶりの中間赤字に

4.4%増収も自然災害や海外事業の経費増響く

 JTBグループの2018年度中間期(4月〜9月)の連結決算は売上高が前年同期比4.4%増の6866億5100万円、営業利益は80.5%減の14億1300万円、経常利益は56.1%減の43億400万円、中間純損益は66億4500万円の黒字から10億6600万円の赤字となった。
 売上高は法人事業における海外旅行やMICE売上が好調だったことや海外M&Aによる押し上げ効果で増収となった。しかし、国内の相次ぐ自然災害で国内の個人旅行事業を中心に販売が大きく落ち込んだほか、グローバル事業で進行中の海外経営改革に伴う経費増などが影響し、営業・経常利益がマイナスとなった。純損益は事業再編損失や有価証券評価損などで約11億円の特別損失を計上したことや税金費用の一時的な増加などの影響により赤字となった。中間赤字となるのは2009年度中間期以来9年ぶりとなる。

 

 国内の自然災害関連で100億円超の減収に
 個人旅行商品の再構築「さらなる改善必要」

 セグメントごとの実績を見ると、個人事業は売上高が4.0%減の3517億円、営業利益が26.0%減の37億円となった。国内で相次ぎ発生した自然災害の影響による販売減に加え、顧客対応の強化やステージ制度の見直しによる顧客戦略の強化、高付加価値商品や価格変動型商品(ダイナミックJTB)商品の拡充など商品戦略の再構築に取り組んでいるものの、減収減益となった。
 11月20日に行われた中間決算会見でJTBの小林高広取締役は一連の自然災害の影響について「西日本豪雨や関西の地震、台風被害、北海道胆振東部地震などによる、国内旅行の直前キャンセルが約60億円発生した。さらに関西空港の閉鎖により海外旅行についても直前キャンセルが約11億円発生した。そのほか、関連部門の状況などをあわせると100億円を上回る影響を受けた」と説明した。

 

 法人事業、地域交流事業拡大などで3.4%増収
 グローバル事業、M&Aで大幅増も販管費膨らむ
 海外旅行、欧州堅調もハワイ、ミクロネシアが減少
 ルックJTBの売上高は3.7%減に
 18年度通期見通しについては言及せず
 販売プラス基調も事業構造改革の動きが流動化

 

※写真=2018年度中間決算の内容を説明するJTBの金子和彦常務取締役(写真右)と小林高広取締役