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2023.12.22

ウイングトラベル

【潮流】旅行取引の国際標準化を急げ

 日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は、大手旅行6社に対して支払い条件の改善を要望した。OTOAはこの問題の改善を最大の課題として、長年にわたり取り組んできた。とくに航空会社の航空券直販化、インターネットによる流通革命、オンライン・トラベル・エージェントの台頭、個人旅行化という旅行業界の変動の中で、コロナ禍による旅行市場の一時的消滅は、ツアーオペレーターの経営環境を一層厳しいものにしている。
 そうした中での今回の要望は、日本がかつての経済成長の波に乗ったアウトバウンド隆盛の時代から、インバウンドを頼みとする国に移行していく中で、海外での日本のアウトバウンド旅行市場の優位性がなくなり、早急な商慣習のグローバルスタンダード化が求められていることを浮き彫りにしている。
 OTOAが要望するする支払い条件の早期化は、国際的な旅行業界の標準に合わせることをめざしている。グローバルな市場では、迅速な支払いや取引の透明性が重視されるため、日本の旅行業界もこれに早急に対応する必要がある。世界に出ているはずの業界なのに、この問題では「ガラパゴス」と指摘されても仕方がないだろう。