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2018.11.26

WING

ウエポン・リリースのステルス化研究、実大試作完成

ウェポンベイ扉の開閉やミサイル射出などの方式確認へ

 防衛装備庁は先頃、将来戦闘機技術のひとつである「ウエポン・リリース・ステルス化の研究」の成果を「技術シンポジウム2018」で発表した。これまでに縮小模型による風洞試験に続いて実物大の発射機構の試作が完成し、航空装備研究所で実証試験が開始されているという。
 将来戦闘機ではステルス化対策のひとつとしてミサイル等の武装を胴体内に収納することが必要視されている。この場合、如何に電波反射を大きくせずに胴体内から武装を射出するかが課題となる。
 日本ではP-1哨戒機で胴体内に魚雷等を搭載し、扉を開いて投下している。P-1の爆弾槽扉は左右に開いて半分に折り畳まれることで空力抵抗を減少する方式となっている。この経験を踏まえて研究試作は川崎重工が受注している。戦闘機用の武装収容部の扉は、意外にも片開き式であった。電波反射や超音速気流中での開閉を考えると両開きの方が扉の動き距離が短く有利に見える。しかし、片開きなら2本のアクチュエータで開閉でき、素早く開閉できることが確認されたようだ。

 

※画像=ウェポン・リリースの研究の概要説明図(提供:防衛装備庁)