記事検索はこちらで→
2018.11.26

WING

岩屋防相、敵基地反撃能力「政府全体で判断」

攻撃能力は米依存も“反撃”は検討必要

 岩屋毅防衛大臣は11月22日の閣議後会見で、政府として見直しを行っている防衛大綱について、“敵基地攻撃能力”は米軍に依存する、との見解を示す一方で、“敵基地反撃能力”は政府などで議論しているところだとして自身の見解を明言せず、防衛大綱に明記される可能性に含みを持たせた。岩屋大臣は「敵基地攻撃能力については、申し上げたとおり」と述べるも、続けて「そのほかの議論についても、ぜひこれから与党の意見、自民党の意見、有識者懇の意見も聞いて、最終的、総合的に政府全体で判断をしていく」と、敵基地反撃を含む能力の必要性について説明した。
 自民党では、21日に国防部会・安全保障調査会の会合を開き、敵基地攻撃能力の必要性など議論。日本への攻撃抑止のため、さらには攻撃を受けた際に次の攻撃を防ぐため、敵基地へ反撃する能力の保有について検討が必要だとした。岩屋大臣はその前日20日の会見で、敵基地攻撃能力は従来どおり米国に依存するものだとして、引き続き同様の見解だと説明していた。
 岩屋大臣はこの度の会見で、いわゆる敵基地攻撃能力については「これまでの日米の役割分担の中で米側に依存をしている」との考え方に変わりはないとした。しかし、自民党では攻撃能力と反撃能力を区別していて、部会が盛り込むべきとした提言では「あくまでも反撃ということを強調されていた」と説明。さらに政府として公式見解があるわけではないとして、攻撃と反撃の違いなど「様々な意見を拝聴した上で総合的に判断したい」と話した。
 また防衛大綱の見直しの考え方について、改めて自民党、与党、政府有識者懇などで議論が進んでいるとした。「そういった議論も聞かせていただいて、そして最終的に政府全体で判断をしていく」と話した。

 

※写真=日本が導入するF-35A搭載のJSM(スタンド・オフ・ミサイル)は、相手の脅威圏外から攻撃可能なもの。敵基地攻撃が可能な装備品になる